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北國銀行のデジタル人材が石川県庁に出向、庁内のペーパーレス化などデジタル施策を担当

情報発信元:https://www.fnn.jp/articles/-/438605
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北國銀行で企画部長を務める社員・北嶋良章さん(50)が、石川県庁に出向することが正式に決まり、1日に辞令交付式が行われた。民間企業から石川県庁に出向するのは今年で4人目となり、北國銀行からは初めての出向となる。

北嶋さんは石川県のデジタル化推進本部の責任者である西垣副知事の補佐役に従事することになっており、主な担当領域は県の各種申請処理の電子化や、庁内のペーパーレス化となっている。北嶋さんは2025年2月まで任期を努める。

【執筆者コメント】
昨今、低金利で苦しい状況の銀行がクライアント企業に対してコンサルティング業を盛んに行うようになってきているが、今回は銀行が自治体を相手にコンサルティングをするという珍しいケースだ。当編集部でも銀行のデジタル施策をいくつか取り上げてきたが、銀行が金利だけで食って行けるというのは過去の話となってきている。

(※参考)「みずほデジタルコネクト」提供開始企業のDX化を支援 みずほ銀行にて
(※参考)アイリックコーポレーションが「生命保険見える化システム」を七十七銀行に提供開始

各銀行の中期経営計画を見ているとどこもかしこもビジネス領域を拡大しようと躍起で、経営方針の中にはDXやデジタル化、アジャイルというワードが並んでおり、そういう点においては北國銀行が目指している方向性についても同じ印象を受ける。
(※参考)北國銀行ミニディスクロージャー誌

代表のDX理解度の高さが、2000人をかかえる企業の高い機動力を実現

北國銀行は石川県金沢市に本店を構え、従業員約2000名をかかえる地方銀行。とはいえ石川県を中心に105店舗を構えており、中堅と言える企業規模だ。DX施策が遅れている業界の1つとして金融業界はよく名前があがるが、北國銀行がいかに時流に合わせてデジタルシフトに成功できたのかというとそれは「社長力の高さ」だと考える。

(※参考)社長DXについてはこちら→やはり、DXで一番変革しなければいけないのは社長で確定。
(※参考)社長力が高い安川電機の事例につていはこちら→学習管理システム導入で、営業の製品知識と提案力向上を狙う!安川電機にて

遡ること20年前、前頭取(頭取とは一般企業で言う代表取締役のこと)が戦略的な投資が必要になると言う見通しからコスト削減施策の実施に大きく舵を切った。そのことで、金銭的な余裕もできデジタル化を早くから進めることで成果を出せたと言う。さらにこの時の経験が素地となり、今現在の全社的なDXに踏み出すことができており、金融業界では難しいとされる「収益構造の変化」に成功している。

その結果として北國フィナンシャルホールディングスはシステム小会社「株式会社デジタルバリュー」を設立し、2019年9月にアジャイル開発でインターネットバンキング「北國クラウドバンキング」をリリース。さらに2021年には勘定系システムのPaaS("Platform as a Service"の略でクラウド上にあるプラットフォームが利用できるサービス)化や、金融サービス向けプラットフォーム「BankVision on Azure」をリリースしている。

(※参考)なぜシリコンバレーでは、アジャイルで大規模開発できるのか。

経営会議を全社員にリアルタイム配信!行間を含めた経営戦略の浸透を狙う

驚くことに北國銀行では幹部しか出席できない経営会議をTeamsで生配信しているという。この背景には経営施略を行間も含めて末端まで浸透させ「社員全員に同じ方向を向いて仕事をしていこう」と言う頭取から社員に対するメッセージだという。この覚悟には恐れ入った。普通の企業ならばここまでオープンにはしないと思うし、何より上は社員にいらぬ不安や混乱を与えたくないとネガティブなイメージを持つと思う。この思い切りにはまさしく社長力が働いている施策の1つだと考える。

銀行であることを忘れることが第一歩、顧客と共に生き残るにはDXは避けて通れない

銀行が預金と貸付金の預貸利ざや為替手数料などで稼ぐ従来型のビジネルモデルでは生き残っていけなくなっている以上、北國銀行は銀行であることを忘れ、「地域のための会社であれ」と言うマインドシフトを全社員に促進している。北國銀行が目指すのは「次世代版地域総合会社」だ。

クライアンが求めているのはデジタルの知見だと北國銀行のシステム部長がインタビューで語っている。社員1人1人が顧客のニーズに応えるべくアジャイル思考を持ってクライアントとテクノロジーの利活用にとって共創し、変化の早いこの時代を生き残るというのが目下の使命だ。そのためにリカレント教育にもコストをかけて人材育成にも力を入れている。

安川電機の社長と同じく、北國銀行の頭取にもDXに対する高い社長力があることが調査した結果わかってきました。企業のトップがまず誰よりもDXの本質を理解することがDX成功のための最低条件です。DXの成功事例は日本でも少ないため、北國銀行の事例は今後も参考にしたい1つです。

(※出典)
「全員、1回銀行を退職したつもりで」 北國銀行が“DX人材”を集められる理由」
「“古くて固い”開発文化を打ち破る」課題山積みの地方金融DX、石川・北國銀行が一歩先を行くワケ」
「北國フィナンシャルHD、アジャイル思考で顧客と銀行のために全力で取り組む」
「地方銀行がフルクラウドのバンキングシステム内製化で実現する経営戦略――北國銀行×ゼンアーキテクツ対談」
「実績が浅くても貪欲に学ぶ姿勢を評価  北國銀行がEN:TRYでDXエンジニアを積極採用 | 未経験からのエンジニア転職【EN:TRY】」

執筆者/
リビルダーズ編集部 木城 秀人

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