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全国の医師8割が「反対」の“マイナ保険証へ一本化”、揺れる福岡の現状は

情報発信元:https://www.fnn.jp/articles/-/436467
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河野太郎デジタル大臣が10月13日の記者会見にて、現行の保険証を廃止し、マイナンバーカードに一体化することを正式発表した。保険証の廃止は2024年秋を予定しているという。

現在日本全国のマイナンバーカード所持率は18日時点で約50%。政府がおそよ7年をかけてタレントを起用したTVCMや広告を打つなどして普及促進のためのPR活動をしてきたが、それでも普及率はやっとで半数という状況だ。

反面、今回の河野大臣の発表を機にマイナ保険証に興味を示す人が増えているのも事実で、福岡市内の商業施設ではマイナンバーカードの申し込み窓口を訪れる人が増えている。また、福岡県柳川市では市独自のキャンペーンとして、マイナンバーカードを申し込んでくれた人に対して、市内で使える5000円分の商品券を配布し普及率の促進を図る取り組みをしている。

河野大臣の発言をきっかけに、日本国民のマイナンバーカードへの注目度が再燃しはじめている一方で、マイナ保険証の実質義務化に警鐘を鳴らすのは全国の医師らだ。日本保健医団体連合会の調査によると、全国80%の医師らがマイナ保険証の一本化に反対を意を示していることがわかっている。

理由としては主に、2点。
・全ての医療機関に義務化がされているオンライン資格確認システムの導入スケジュールがタイトすぎる
・資格確認システムの義務化に関するさまざまなデメリットについての説明不足

さらに、福岡県保健医協会は20日、政府に対してオンラインシステム導入の義務化撤廃や従来通りの保険証の交付を求める要請書を提出した。

【執筆者コメント】
河野デジタル大臣が急推進しているマイナンバーカード事業だが、政府からのゴリ押し感が強いためか、現場側は早くもアレルギーが起き始めている印象を受ける。なぜこのような事態になっているのか、各社の思惑を調査しとマイナンバーカードのメリット・デメリットもあわせて整理する。

<河野大臣・政府側の意向や狙い>
・マイナンバーカードの普及率向上
・全国民の金融資産の掌握

<医療機関・薬局への影響>
▼メリット
・オンライン資格確認システムの導入により、従来の個人情報入力業務の負担が軽減
・患者を待たせる時間の軽減
・医療機関と薬局間の情報連携による服薬指導の精度向上

▼デメリット
・オンライン資格確認システムの機械の導入が来年の3月までに間に合わない
・オンライン資格確認システムにまつわるトラブル増
・停電時の際に保険資格の確認ができない
・病歴などの個人情報漏洩の懸念
・オンライン資格確認システム導入における費用負担が国からの補助金だけでは不足

<マイナンバーカード(マイナ保険証&免許証)を持つことによる国民側への影響>
▼メリット
・銀行口座に紐づいているので給付金等の受け取りがスムーズになる
・保険証や免許証など、複数の証明書を所持しなくても良い
・薬局での待ち時間短縮や重複する薬の処方量を減らせる

▼デメリット
・停電時に医療負担が10割になる
・銀行口座紐付けが義務化される可能性があり資産状況を政府側に把握され、将来的に資産状況に応じた社会保障費の負担増の懸念がある。

ざっと調査した情報を整理すると上記のようになるが、これを見る限りは河野大臣の説明不足は否めない。そもそも国民への理解を得るために十分な説明がセットだとご自身でも言っていたと思うが。。。。さらに、マイナンバー制度の医療分野での活用について研究会を設置し1年半にわたり議論してのに、その内容を全部無視するという荒技までやってのけてしまったのはいかがなものか。

これではあちこちから非難の声が上がるもの無理もない。河野大臣のデジタル大施策の船出は早くも雲行きが怪しくなってきた。我々国民も政府のやろうとしていることを冷静に見定める目をもたなければいけないと考える。


【参考】「政府ゴリ押し「マイナ保険証」“真の狙い”は金融資産掌握 社会保障費の負担増で庶民狙い撃ち」
【参考】「マイナカード普及へ保険証を“人質”に…河野デジタル相のアベコベ突破力で検討会メンツ丸潰れ」

執筆者/
リビルダーズ編集部 木城 秀人

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