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NTT東日本、5G活用プロジェクトを開始

情報発信元:https://www.ntt-east.co.jp/release/detail/20221019_01.html
(別サイト「NTT東日本 報道発表資料2022年」を別ウィンドゥを開きます。)

2022年10月19日、東日本電信電話株式会社(以下NTT東日本)は、株式会社JTOWER、FCNT株式会社、ニューラルポケット株式会社3社とともに、5Gを用いた実証プロジェクトを始めることを発表しました。

本プロジェクトは、都営大江戸線の都庁駅前駅に実証環境を構築します。デジタル技術を用いて、新たなシステムの利用例を検証していきます。実証内容は以下の5つです。

・ローカル5G環境整備

都庁駅前のホーム、改札、機械室等に5G環境を整えます。導入に伴って、単位時間につきどのくらいのデータ量を処理できるかなどの技術的な検証を行います。また5G活用による地下鉄保守点検の作業、乗客へのサービス等も併せて検証します。

・トンネル内の施設点検に対する活用

保守用車に高精細カメラを設置することで、線路、天井、壁等トンネル内を撮影します。その映像をローカル5Gで記録装置へ伝送し、異常検知を行います。異常検知はAIを活用して解析を行い、維持管理業務を効率化する検証します。

・駅係員業務に対する活用

AIカメラで駅内を撮影し、高精度の映像をローカル5Gで伝送し駅員が持つモバイル端末で確認できるようにします。これにより駅構内の状況をリアルタイムで把握し、介助が必要な乗客の認識等につなげる等、業務への活用を検証します。

・情報発信への活用

動画広告のコンテンツ等を駅構内の液晶看板、デジタルサイネージへ伝送する際に、ローカル5Gを活用します。またサイネージに搭載されたカメラ映像によって、利用者の反応の確認を行い、情報発信をより効果的に行う検証をします。

・移動支援への活用

駅構内における利用者の移動が煩雑になっているため、ARを用いて移動の支援をします。5Gを用いることで駅内のナビゲーションデータをスマートフォンに送り、位置情報と連動して案内を行う検証をします。

本実証においては、JTOWERがプロジェクトの企画、統括を行うとともに、5G環境の技術検証を行います。NTT東日本は「ギガらく5G」というローカル5Gシステムを提供します。またFCNTはAIカメラを用いたプロジェクトの構築と実施を担います。ニューラルポケットは、AI搭載のサイネージを提供します。

今後は都庁前駅での実証実験をもとに、5Gを用いたDXを行い、全国への展開を目指していきます。

【執筆者コメント】
今回は5Gを用いた鉄道関連施設での実証実験を取り上げました。

現時点で対応していない端末、場所はありますが、5Gは2020年3月より国内で一般利用できるようになりました。ただ依然5G対応エリアが少ないことから、企業が積極的に活用をしてサービスやソリューションを提供している例は少ない状況です。

5Gは4Gと比較して通信速度が20倍と速く、遅延も起こりにくいとされています。また4Gより多くのデバイスを同時に接続することも可能です。

今回取り上げた実証実験は、今後企業による5G環境を活用したソリューション提供の足掛かりになるものと言えます。ローカル5G環境をNTT東日本が構築することで、多くのデータを伝送することができるため、業務の効率化やマーケティングにつなげることができます。環境を構築することができれば、他の企業が提供するサービスと組み合わせてバリエーション豊かなサービス、ソリューション提供の可能性があります。

現在ローカル5G環境を導入するサービスは多くの企業が提供しています。日立製作所、三菱電機、富士通など、大手企業が環境構築の実績を増やしています。5Gの最大の利点は、多くのデータを速く伝送することにあります。今回の実証実験は鉄道関連施設のDXが最終的な目的であるように、DX推進というキーワードとデータ活用は非常に親和性が高いものです。

動画データの伝送は5G環境であれば以前よりスムーズに行うことができるため、AIカメラを用いたデータ分析等には非常に向いている環境になったといえます。マーケティングの幅を広げることができるなど、5G環境の利点を生かす協業がこれから多く行われていくことでしょう。5G環境を導入する企業がどのような企業と連携をしていくか、今後も注目です。

執筆者/
リビルダーズ編集部 橋爪 勝万

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