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ゼンリンデータコム、生産・物流現場向けDX支援サービスを提供

情報発信元:https://www.zenrin-datacom.net/newsrelease/20220909_01.html
(別サイト「ゼンリンデータコム ニュースリリース」を別ウィンドゥを開きます。)

2022年9月9日、株式会社ゼンリンデータコムは、株式会社NX総合研究所と共同で生産性改善支援を行うサービスの提供を始めました。

株式会社ゼンリンデータコムは現在位置を測定することができる高精度の技術を持っており、株式会社NX総合研究所は倉庫の作業状態や投入工数を可視化し分析できるツール「ろじたん」を持っています。これらを組み合わせることで、生産現場のリソース状態を可視化し、生産性向上の支援をするサービスを提供します。

 昨今の原料や資材等のコスト高騰に伴い、企業は生産や物流のコストを削減する必要に迫られています。また物流センターや工場の現場では柔軟に環境の変化に合わせられるサプライチェーン構築が必要です。両社の強みを合わせることで、生産現場の情報を取得し可視化することで、新たな視点からの改善活動を支援することが出来るようになります。

今後は現場の様々なIoT機器からデータを得ることで、データ分析、データ可視化を行うことで生産性の向上ができるサービスを目指していきます。またパートナー募集を行うことで様々な領域で支援ができるように展開していきます。

【執筆者コメント】
今回は2社共同によるDX支援サービス提供のニュースを取り上げました。

株式会社ゼンリンデータコムは株式会社ゼンリンを親会社に持ち、ナビゲーションサービスの提供や地図活用のソリューション展開を行っている企業です。株式会社NX総合研究所は物流に関わる総合シンクタンクとしてコンサルティングサービスを提供しています。

 リソースの位置情報を把握して、業務プロセスの改善・最適化を行う動きはDX推進の代表的な動きと言えるでしょう。先月紹介したコンビニエンスストアでの取り組みも、店舗内の位置情報の把握による省人化の取り組みでした。(https://rebuilders.jp/dx-news-20220820/)他にも国土交通省は携帯電話の位置情報をもとに交通における課題解決、ならびに観光客の流動の分析による環境DXを行う取り組みをスタートさせるなど、位置情報の活用方法は多岐にわたります。

今回取り上げたDX支援サービスは、位置情報活用の方法が非常に優れているといえます。単なる位置情報の活用だけではなく、「ろじたん」を組み合わせることで位置情報に周辺状況を組み合わせているからです。

例えば、ある通路にクルマが多く集まるという位置情報をキャッチしただけでは、通路や動線の見直しの検討やクルマというリソースの増減の検討しかできません。ただその時に現場の作業項目や作業時間、投入工数はどうなっているか、あるいは他のクルマの稼働状況がどうなっているかなど周辺情報もリンクさせることで、細かい場合分けが伴ったデータ分析活用ができると言えます。

位置情報をビジネスに活かした先進的な例がCotral社です。同社はイタリアのバス運行会社で、コスト削減を行う際に位置情報を大量に収集しバスの運行状況を把握しようとしました。その際にバスの位置情報のみならず、近隣のイベント情報や季節、時刻といった周辺情報のデータと組み合わせて、バスの遅延等を分析しました。その結果バスの遅延削減、さらに稼働率向上を実現しオペレーションの効率化に成功しました。

今回取り上げたサービスは位置情報のみならず周辺情報のデータ分析を内包したものです。ビジネスには様々な局面があります。多くのケースを想定した分析を行えるサービスこそ有効なDXの支援ができるでしょう。

執筆者/
リビルダーズ編集部 橋爪 勝万

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