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脳に刺さるデザインを提案してくれるサービスをコニカミノルタが開発

情報発信元:https://www.nikkei.com/article/DGKKZO63727150U2A820C2TB2000/
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コニカミノルタ株式会社は脳科学をもとに、各種広告のデザインの色や形状などから、人が感じる印象や注目度を解析し、消費者の購買に繋がる最適なデザインを提案するといった技術を開発した。

大きく分けて2つの機能があり、注目性分析と印象分析の機能だ。

注目性分析は広告を見たときに視線がどう動くかということや、どの文字に何秒間注目するかといった情報をヒートマップや数値で表現する。印象分析では、エレガント、たくましい、といった150種類の中から最も感じる印象を指摘し、与えたい印象に最適な色やデザインを提案する。デジタル空間で表現できる1677万色全てを解析可能だ。

これまでAIを使いデザインを評価するサービスはあったが、分析したい対象ごとに参考となる過去データを大量に読み込む必要があったが、今回の新システムを使えば過去データではなく人の認知過程をベースにしているためあらゆる製品に応用が利くとのことだ。

顧客に対し、利用料金は月額数万円程度のサブスクリプションを想定。コニカミノルタはデザイン分析サービスが、足元で1200億円程度の市場規模があると見込んでいる。人の感性をデジタルで再現し、「刺さる」デザインを判断するという新サービスでDXを促進していく考えだ。

【執筆者コメント】
デジタルサイネージやECサイトのUIなどで、注目率や滞在率を計測し、データを集めて改善に活かすという話は筆者もよく耳にする。

コニカミノルタ株式会社の技術では、消費者の購買に繋がる最適なデザインを提案するという点が新しい観点だと感じた。また、記事内で同社の技術開発本部先進コア技術センター浦谷氏が「新サービスは脳科学に基づくアプローチなので、説得力のあるアドバイスができる」と述べていたように、単にAIの技術を使った訳では無いという点がDXであると考える。

DXというのは0から1という形で生み出されるものだけではなく、既にある企業の強みの中から生まれるものもあると感じた。コニカミノルタ株式会社はカメラ・社員用フィルムの技術から始まり、画像や色を核とした技術力も基盤に、画像IoTを軸として事業領域を拡大してきたと代表執行役社長 兼 CEOの大幸氏も述べている。大きく4つの事業の中でも1番売上を上げているのは、デジタルワークプレイス事業であり、経営理念は「新しい価値の創造」である。

コニカミノルタ株式会社はデジタル技術の発達だけではなく、理念や強みを活かし、まずは小売り・EC事業での売上拡大に貢献している。今後は小売・ECだけではなく、災害時のセキュリティ対策など様々な業界に応用していく大きな可能性を秘めたサービスであると考える。

執筆者/
リビルダーズ編集部 國本 樹紀

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