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新規サービス創出のカギはシステム内製

左からセブン銀行小林氏・斉藤氏・神野氏、情報戦略テクノロジー(IST)A.T氏・N.Y氏。 ご支援スタートから4年目に突入しており、14名の体制で参画中(2021年5月現在)。

お客様インタビュー第1弾として、「Myセブン銀行」アプリを内製で構築し2020年4月にリリースされた株式会社セブン銀行様にシステム内製のメリットや苦労をお伺いしました。またシステム内製にあたりご活用いただきました当社、情報戦略テクノロジー(以下IST)の「システム内製支援」についても語っていただきました。
ISTからプロジェクトに参画しているA.T氏を交えたインタビューの様子をお届けいたします。

クライアントプロフィール
会社名:株式会社セブン銀行
事業内容:ATMプラットフォーム事業や決済口座事業の他、海外でもATM運営事業を展開。
ご協力:

Myセブン銀行アプリの特長

Q,Myセブン銀行アプリの特徴をおしえてください。

(セブン銀行・神野氏)Myセブン銀行アプリは2020年4月にリリースをしており、現在ダウンロード数は約65万件(2021年4月時点)に増加しています。

アプリのみでの口座開設やキャッシュカードなしでATMでの現金入出金ができる機能、利用明細、残高確認ができるアプリになっています。

想定以上にアプリだけで口座開設するユーザーが増えていて、ネットバンキングやご郵送での口座開設のみだったものがいまは口座開設者の約7~8割がアプリからの口座開設になっています。

マイナンバーカードや運転免許所があればスマートフォンで口座開設が完結。

Q,エンジニアからみて、こだわってるなと感じた部分はありますか?

(IST・A.T氏)開発当時のことを思い出すとデザイン面はかなり力を入れていたなと思っています。途中までセブン銀行さんが外部に発注していたんですけど、外注先とセブン銀行さんとの間でほんとに作りたいものと認識の齟齬が生まれてきて、そのなかでデザインも内製しようとなりました。

自分たちが本当に作りたいものを一緒に考えながら作っていましたね。実際アプリストアのユーザーレビューでUI/UXの好評価をいただいたときにはみんなで大喜びしていた記憶があります(笑)。

(セブン銀行・神野氏)もともと通帳アプリという別のスマホアプリを出していたのですがアプリベンダーに外注していて、積極的に改善したり、デザインの部分を自分たちで検討するということをやっていなかったんですね。またシステム部門では数年前からデザイン思考・人間中心設計プロセスを勉強していたこともあって、そのプロセスで進めたほうが良いという意見も出てきました。

そんな背景もあって、銀行のメインチャネルになっていくアプリを創る上で単純にUIデザインを考えるだけではなくて、その基盤としては戦略の部分だったりコンセプト、ターゲットをきちんとみんなで目線合わせすることが重要だよねということになりました。

つまり、コンセプトからUI/UX設計まで内製で作り込むということに力を入れて取り組んでいました。

そのため社内でワークショップをやって、ユーザーであるお客様が何を期待して、作る側の自分たちも何を期待しているのか、といった意見を出しながら創ったのが「あなたの日常にいるアプリ」というコンセプトでした。

金融サービスって多くの人にとってはあまり日常的に親しみがあるものではないと思っています。

でもこのアプリについては、気がついたら開いているくらいの、何かお金に関することをやろうと思っていたらすぐにアプリを開いているくらいの身近さになっているといいね、ということでコンセプトを決めました。

今になって思えば外部のコンサルなどに丸投げせずに自分たちでやったからこそ、思い入れがあるのかなと思っています。

Myセブン銀行アプリのコンセプト「あなたの日常にいるアプリ」

Q,Myセブン銀行アプリの展望を教えてください。

(セブン銀行・神野氏)自分のやりたいことのために主体的にお金をコントロールしたい方が使いたくなるようなアプリを目指しています。

日常的にMyセブン銀行アプリを利用したくなるようなユーザー体験を提供し、セブン銀行の口座・金融サービスを活性化させていきたいと考えています。

システム内製化のメリット

Q ,システム内製に着手された背景を教えてください。

(セブン銀行・神野氏)2016年くらいから当社でもアジャイル開発手法や、内製での開発体制を取り入れていくべきかと検討をしていました。

ATM事業だけでなく決済口座事業も収益を伸ばしていかなければという課題があり、ビジネスアイデアをすぐに試すことができる体制が必要なのでは、という考え方が立ち上げのきっかけでしたね。

本格的に体制づくりを始めたのが2017年頃からです。当初はエンジニア1、2名ほどに週何日か来てもらって、PoC的な取り組みから開発をスタートしていましたね。

ただ、PoCのプロジェクトだけでは、なかなか体制が育たず、本番のプロジェクトへの適用が必要だと考えていたところで、Myセブン銀行アプリのプロジェクトが始まり、そこでアジャイルでの内製開発を本格的にスタートさせました。

Q ,システム内製をしてみて感じるメリットはいかがでしょうか?

(セブン銀行・斉藤氏)全社的にATMだけではなく、別のビジネスをスピード感もって育てていかないといけないという意識があります。その中で、システム内製はコミュニケーションロスが少ないこともあり、上流の検討などはかなり迅速にできると感じています。

セブン銀行・小林氏。Myセブン銀行のスクラムマスターをご担当。

(セブン銀行・小林氏)基幹系システムは従来型のウォーターフォールで構築していますがそこと比較するとアジャイル開発はスピード感や柔軟性がある点がメリットですね。

緊急の要件があるときはすぐに内製チームに話が来て、内製で即対応することが何回かあったので、各部門にも何か課題がある、試してみたいというものがあったときはすぐに内製チームで対応してもらえるというメリットを感じてもらっているかと思います。

情報戦略テクノロジー(IST)の内製支援について

Q ,弊社を選定頂いたきっかけを教えてください

(セブン銀行・神野氏)当時は十分な開発体制がまだ無い中で、週何日かでも、オールマイティにシステム構築の上流から下流まで出来る人、またとくにAPI周りに詳しい人を探した経緯があります。そんな中でISTが当社の注文に応えてくれたところは大きかったと思います。その前にも何社か来ていただきましたが結局長くお付き合いがあるのはISTですね。

継続している理由は、目の前の仕事をやるだけではなくてプロダクトをもっと良くしていくためにという中長期的な目線を持っている点や、エンドユーザーの目線でプロダクトを考えられる、新しい技術や新しい取り組みに積極的、主体性を持っている、などの点ですね。

Q ,ISTの「ゼロ次請け」の印象はいかがでしょうか?

(セブン銀行・斉藤氏)とても近い位置で当社の社員と共に開発しているので、自分事と思って開発に取り組んでいる点がいいなと思います。あとは人柄?(笑)

セブン銀行・神野氏。Myセブン銀行のプロダクトオーナーを担当。

(セブン銀行・神野氏)最初にアプリをゼロから設計するときに認証周りのセキュリティを検討しないといけない場面がありました。その時にISTのA.Tさんに入っていただいて、開発ルームのホワイトボードでシステム部門の担当と企画開発部門の担当とA.Tさんと一緒に認証フローについて熱く議論し、検討していました。

ISTのエンジニアが部署の垣根もなく越境して弊社内でコミュニケーション取っていただくことは今までのやり方では無かった動きだったので助かりました。

その後リリースした後も、弊社のカスタマーサポート部門の者とお客さまからの問い合わせについて細かなやり取りをしているのですが、それをISTのA.Tさんが積極的に拾ってくれるので、まさに目指していたチームの働き方ができたのかなと思います。

(IST・A.T氏)最初にセブン銀行様がイメージしていたこういうセキュリティをやっていきたいというのと、当初一部ベンダーさんが認証部分を切り出して対応していた部分があってその部分がアンマッチしていることに私が気づきました。

そこに途中で横から私が入って「こういう風に直したほうがいいですよ」と伝えたら、結果的に全面的に改修する流れになり、さっきのような皆で集まって色々考えるみたいな場を作ることができました。

結局、それで実際認証の開発の工程が伸びてしまったのですが、そこのセキュリティ面に関しては自信を持てるものが作れたので結果的に良かったかなと思っています。

(セブン銀行・神野氏)ベンダー任せではなく一緒に話して作っているから、こういう仕様で作ってあると理解できているという安心感がありましたね。

(セブン銀行・小林氏)別観点で他のベンダーさんと違う点でいくと、実際の社員みたいな形で一緒に年間で目標設定をしてやっていく形は一緒に成長できるという観点でメリットかと思いました。

セブン銀行・斉藤氏。
PoC案件のスクラムマスターをご担当。

(セブン銀行・斉藤氏)ISTのメンバーは作って終わりというよりは中長期的なところまで考えた設計をしているなと思います。実際に自分も開発をしていますが、ISTには技術が好きな人が多く、教えるのが好きな人も多いので、チームの学習面でもいい動きをしている印象がありますね。

お客様の内製支援というところを意識して、勉強会などを積極的に企画・推進してくれている点は当社のエンジニアのスキル向上に繋がっていて助かっています。

Q ,ISTのエンジニアとして、どういう思いで参画していますか?

(IST・A.T氏)一番はやっていて楽しいという気持ちがあります。ビジネス的に常に新しいものを足さなきゃいけない、さらに技術的にも新しいものへのチャレンジが必要なのでエンジニアとしての経験が積めるので楽しいです。このチャレンジの大事さはみんな感じていますね。

あと、お客さまがスピード感を重視しているということもISTエンジニアのマインドとマッチしています。出来るだけユーザーに早く成果物をお出ししてユーザーからのフィードバックもらうところがエンジニアのやる気に繋がるところではあります。このスピード感とフィードバックが私達エンジニアの「やる気満々の源」という感じですね。(笑)

内製文化の浸透に必要なこと

Q ,内製化を進めるにあたりエンジニアのモチベーションにも配慮されていますか?

(セブン銀行・神野氏)Myセブン銀行アプリの時は、エンジニアとチームを組んでの開発が初めてだったので、スクラムのイベントや振り返りを通して、チームでポジティブな雰囲気をキープできるよう意識していました。

ガラス張りの部屋で開発をして、そこに企画者など他部門の人もワイワイ集まってくる、オープンで楽しい雰囲気作りを心がけていました。プロジェクトメンバーでない人たちにも楽しそうな雰囲気を感じてチームでプロダクトを作っていくやりがいを感じてほしいという思いもありましたね。

IST・A.T氏。テックリードとしてアーキテクトを中心に担当。
 

(IST・A.T氏)そのガラス張りの部屋ができたのは、ISTの内製が受け入れられた1つの象徴でしたね。PoC案件など楽しいと思うのは、企画の方などと直接話して、本当に作りたいものが何なのかを直接会話しながら作り上げられるところです。エンジニアとしてものすごく楽しいです。

(セブン銀行・斉藤氏)開発について現場で決められる裁量が大きい部分もあり、どういったアーキテクチャを採用するかなどをエンジニア側で決められるのは大きいと思います。そういう意味では、お互い個々の能力を刺激しあい、高められる環境が

構築できたのは良かったと思います。

Q ,内製文化を定着させていくうえで苦労はありましたか?

(セブン銀行・斉藤氏)内製もアジャイルも今までの考え方ややり方がガラッと変わるので、メリットを理解してもらうこと、文化的に定着させることは今も苦労しています。

(セブン銀行・神野氏)最初はエンジニアと一緒に開発を進めるやり方がよく分からず悩むところはありました。ただ、最近では企画開発部門のメンバーもエンジニアと直接相談する人が増えました。そのため、コミュニケーションロスがなく、企画・開発・運用のスピードが上がったと思います。

(セブン銀行・斉藤氏)おかげさまでだんだん内製の取組みが社内に広まってきたこともあって、他部署からでも気軽に開発周りについて聞いてくれる人が増えました。

Q, 内製文化が浸透した一番の要因は何でしょうか?

(セブン銀行・小林氏)Myセブン銀行アプリの存在は大きいですね、メインのアプリを開発できたので。そこでコールセンターの担当の方などと直接やりとりすることが増えたので、影響力は大きかったと思います。

(セブン銀行・神野氏)PoC案件で内製体制を試行錯誤したうえで、本番のプロジェクトで内製を取り入れるということが重要でした。本番でやらないと社内に取組みが伝わっていかないというのはあって、だから今回うまくいった感じですかね。

セブン銀行様のプロジェクトの中心となる3名の方。システム内製の現在に至るまでのお取り組みをお聞かせいただきました。

最後に


Q, 今後弊社に期待したいことを教えてください。

(セブン銀行・神野氏)企画段階から一緒にコミュニケーションを取っていただいて感謝しています。今後もどんなお客さまに、どんな価値を提供しようとしているのか、という部分から一緒に考えていただくことを期待しています。

(セブン銀行・斉藤氏)技術面でも色んな事にチャレンジして一緒にやっていきたいです。プロダクトをどう良くしていくというのをプロダクトオーナーだけではなく開発者視点から切り込んで積極的に入ってもらって、いいものを作っていきたいですね。

(セブン銀行・小林氏)当初2,3年前はPoC案件がメインだったと思うのですが、これからはMyセブン銀行アプリを中心とした本番サービスの開発がメインになっていくので色んなエンジニア目線での提案や改善をいただいて、一緒にいいものを作っていきたいと思っています。

Q,最後にシステム内製を検討している企業の方に向けてアドバイスをお願いします。

(セブン銀行・神野氏)事業会社では、社内のプロセスがアジャイルな考え方に沿っていないことが壁になるかもしれません。

その場合、社内プロセスを全部変えて導入するのは大変ですが、スピーディーな開発が必要な案件を見極め、特例を設けてまずは推進してみるのが大事だと思います。本番のプロジェクトで成果を見せたほうが、社内の理解も得られますね。

(セブン銀行・斉藤氏)社内でエンジニアをしっかり育ててシステム内製をやっていこうという企業は珍しいと思っています。事業会社で開発と言うと、ノーコード・ローコードを導入するといったやり方が多いかもしれませんが、エンジニアが育つことで事業の可能性が広がると思っています。

システム内製を進めていくときにはボトムアップだけでは難しいので、社内で影響力のある協力者をつくるというのは凄く大事なことかなと思います。あとはアジャイルというのは考え方だったりするので、マインドセットを変えるための啓蒙活動をするのは大事だと思います。

(セブン銀行・小林氏)既存の仕組みを全て変えるというのは難しいので、小さくスモールスタートで始めるといったところと、まずはやってみるというのが一番重要かなと思います。

神野様、斉藤様、小林様、ご協力ありがとうございました。

執筆者/
リビルダーズ編集部

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