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結婚式を控えるカップルの悩みに寄り添うAI「ドレシーちゃん」が誕生

情報発信元:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC142S50U3A910C2000000/
(別サイト「日本経済新聞」を別ウィンドウを開きます。)

【概要】


結婚式場マッチングサービス「プラコレウェディング」が、カップルの結婚式準備に関する悩みや愚痴を聞くAIチャット「愚痴聞き上手なドレシーちゃん」を導入しました。

このサービスは、結婚式の準備中のカップルが抱える悩みや不安をAIが共感して対応するもので、24時間365日利用可能です。プラコレは、この新しいサービスを通じて、結婚式を希望する顧客の取り込みを目指しています。

3つのポイント

1、ドレシーちゃんが既存のチャットとの差別化しているポイントについて。

ドレシーちゃんは、結婚式の準備中のカップルが抱える悩みや不安をAIが共感して対応するサービスです。これまでの既存のチャットでは、カップルからの悩みや不安が多く送られてきましたが、ドレシーちゃんはこれらの「愚痴」を気軽に聞くことができる点で差別化されています。また、対人のチャットは限られた時間帯のみの対応であったのに対し、ドレシーちゃんは24時間・年中無休で利用が可能となっています。

2、ドレシーちゃんはどうやって作られたAIなのか。

ドレシーちゃんは、対話型AI「ChatGPT」を活用して作成されました。過去、ウエディングプランナーが対応してきた約4500万件のチャットデータを基に、満足度の高い回答例をChatGPTに学習させています。この学習により、相談者への共感や寄り添うコメントをするようになっており、プロンプト(指示文)も作成されています。

3、ドレシーちゃんが利用者に提供してくれるもの

ドレシーちゃんは、利用者が悩みを書き込むと、共感してくれたり、解決するためのアドバイスを提案してくれます。その他にも、結婚式に対する希望を入力すると、オススメの結婚式場を紹介する機能も持っています。さらに、「一般的にご祝儀はどのくらい集まるのか」や「家族だけの結婚式でオススメの演出は」といった質問にも回答する能力があります。


【執筆者コメント】

縮小傾向にあるブライダル業界において、少しでも花婿と花嫁の挙式準備のストレスを軽減することをミッションとしているAI「ドレシーちゃん」。誕生の背景には、気軽に相談できるチャットサービスが不在な点があったようです。

ユーザーニーズが「ドレシーちゃん」を産んだ

誕生の背景には、気分が落ちこむ夜にこそ気軽に相談したい、というユーザーのニーズが起点となったようです。従来の対人チャットではどうしても限られた時間のみでの対応となり、日中に仕事をしていることが多いカップルにおいては、ゆっくりと相談できる時間が取り辛いものです。

コロナと価値観の変化のダブルパンチで苦しむブライダル業界

ブライダル業界の苦境はコロナ以降も依然として続いている印象を受けます。筆者自身もそうなのですが、最近は挙式をしないカップルを見ることが多くなりました。理由を聞いてみると、挙式ではなくマイホームや車、趣味や貯金など、挙式の優先順位が変化していることが見受けられます。

時代の変化を振り返ってみると、親族や友人を集めて結婚式を挙げなくてはいけないという一種の強迫観念のようなものが、カップルに植え付けられていたのではないかと私は考えています。日本人あるあるですが「みんなやってるから自分もやらなきゃ」のノリで。

Yes/Noで聞かれたら「そりゃ結婚式はやりたい」という心理

結婚式をしない花嫁さんに話を聞くと「できるならやりたい」という声も実はあります。じゃあなぜやらないの?という理由については、挙式準備が大変であったり、費用がかかるから等といった理由があります。逆にいえば、それらのハードルがクリアできるなら結婚式をやっても良いかなっと考え直す可能性も十分にあります。

今の時代はカップルの価値観の変化に柔軟に対応しようと、ブライダル企業も多種多様なウェディングプランを用意しています。100万円以下で挙式できるミニマム婚などが生まれたのも価値観の変化に対応しようという企業側の努力があります。

ドレシーちゃんにはカップルの挙式ニーズをヒアリングし、ぴったりな挙式を提供できるブライダル企業とのマッチングをする機能もあります。AIがカップルの悩みに寄り添うことで、挙式を諦めてしまうカップルを助け、ブライダル企業との架け橋となる可能性を十分に秘めています。

執筆者/
リビルダーズ編集部 丹治 秀人

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