情報発信元:https://openai.com/blog/introducing-chatgpt-enterprise
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【概要】
8月28日、OpenAIが企業向けプラン「ChatGPT Enterprise」を発表した。このプランでは強固なセキュリティとプライバシー保護を備えており、加えてGPT-4への高速アクセスやプログラミングコード生成機能の制限解放、高度なデータ分析など様々なメリットが得られるということだ。
以下に、新プランの特徴と、料金表をまとめる。
「ChatGPT Enterprise」の特徴まとめ
- エンタープライズグレードのセキュリティとプライバシー
企業のデータを保護するための高度なセキュリティとプライバシー機能が提供されています。 - 入力されたデータの取り扱い
企業側が入力したプロンプトやテキストを、ChatGPTは学習しません。かつ入力された情報は休止中および転送中においては暗号化されています。 - 企業の状況に合わせた利用規模の変更や処理能力の調整
企業のシステム担当者が管理しやすいように管理コンソールが提供されたり、従業員数に応じてChatGPTの利用社数の増減や、ChatGPT側の処理能力の増減が可能です。 - 高速なGPT-4アクセス
制限なしの高速GPT-4アクセスや、32kトークンのコンテキストウィンドウを使用した4倍長い入力とメモリが可能です。
プラン | 月額料金 | 主な機能・制限 |
---|---|---|
Free | $0/月 | - 基本的なChatGPTの利用 |
Plus | $20/人/月 | - GPT-4 - 高度なデータ分析 - プラグイン - ベータ機能への早期アクセス - 50メッセージ/3時間の制限 |
Enterprise | 要お問い合わせ | - Plusの全機能 - SOC2準拠の高度なセキュリティーとプライバシー - 使用量制限なし、2倍高速なGPT-4 - 企業の入力したデータを学習しない - 3.2万トークン(通常の4倍)のコンテキストに対応 - 無制限の高度なデータ分析 - 内部で共有可能なチャットテンプレート - 専用の管理コンソール - SSO、ドメイン認証、利用状況のインサイトを提供 - 無料のAPIクレジット |
【執筆者コメント】
OpenAIから待望の企業向けプランが発表され、生成AI市場が沸いてますね。
2022年11月にサービスを開始したChatGPTですが、その有用性に世界中の人が魅了されています。特にビジネスパーソンにおいて、業務効率化のための活用術が盛んに議論されています。
OpenAIの話によると、企業から組織内に展開したいという要望を受けており、今回のプランはその要望に応えるためのものということだ。
数字で見る現行バージョンの導入企業
現在、ChatGPTを採用している企業は多くあり、フォーチュン・グローバル500(※)に登録されている世界的な企業たちの約80%が導入している。
(※)フォーチュン・グローバル500はフォーチュン誌が発表している、世界中の企業を対象とした総収益ランキング。
調べたところ、下記の世界的有名企業たちがChatGPTを組織的に導入し、業務の効率化を測っているという。
フォーチュン500 掲載有無 | 社名 |
---|---|
○ | PwC |
○ | The Estée Lauder Companies |
○ | Block (旧:Square, Inc.) |
× | Zapier |
× | Klarna |
× | Canva |
今後想定される影響は?
ChatGPTの懸念として、セキュリティ面の懸念点が指摘されることが多かったが、ついに本家がセキュリティが強固な企業版を出したともなれば、既存の生成AI市場に出てきてる競合サービスたちは冷や汗ものだろう。
また、世界的な企業たちがChatGPTを業務に活用するとなると、企業がテキスト生成AIを使うということがスタンダードになっていくのも時間の問題かと。
そうなるとChatGPTをはじめとする生成AIサービスを使いこなす力がビジネスパーソンたちには求められることになりそうだ。企業側も従業員たちにAIを使いこなつ力の養成のために、あらゆる研修プログラムへのニーズも高まり、生成AI専門の研修プログラムを提供する企業も多く出てきそうだ。
執筆者/
リビルダーズ編集部 丹治 秀人