情報発信元:https://japan.zdnet.com/article/35202327/
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インテリア専門のソーシャルプラットフォームを提供するルームクリップは、商品マスタ整備でECサイトのDXを支援する「Lazuli PDP」を導入し、6ヵ月でデータ整備を完了させ、システム稼働を開始しました。7日、Lazuli株式会社から発表されました。
ルームクリップは、ユーザーが写真の投稿・閲覧を行う「RoomClip」と、投稿されている商品を実際に購入できる「RoomClipショッピング」の企画から運営までを行っています。
サービス運営のなかで、写真と商品の紐づけデータが整備されていないことに課題を抱えていた同社。限られたリソースでスケジュール通りにデータ基盤構築を行う方法を模索していました。
そこで、2022年7月、上記の課題解決に向けて「Lazuli PDP」を導入し、月に数千件の写真と商品の紐づけや、数十万件の商品データと写真のマッチングを自動化することに成功、導入後約6ヵ月でデータ整備やオペレーション準備を完了させました。
今後の展望として、両社は、SNSのユーザー行動データとECの商品データをかけ合わせたデータ分析や、マーケティングに活用できるデータの提供などを行っていくとしています。
「Lazuli PDP」とは
複数の外部データベースに点在する商品情報を一括管理して、データを活用しやすい形に整理・拡張するためのSaaS型サービスです。AIを活用して、多様な商品マスタデータを名寄せし、製品の特徴からタグ付けや関連付けを行い、ユーザに提供します。大手事業会社への導入実績を多数持っており、ECサイトのDX推進に寄与しています。
【執筆者コメント】
今回は、ECに関するDX推進について取り上げました。
Lazuli代表によると、商品データの整備がされていないと、ユーザーが検索しても同じような商品が並んでいて選べない、情報が少なくて判断しづらい、カテゴリが分かりにくい、関係ない商品がおすすめされるという状況が発生してしまうとのこと。また、各社がこの状況を手入力で解決しようとしており、ある1社のコストはなんと年間約8億円にも上るそうです。
たしかに、これではDXに向けてデータ活用しようなんてできそうにないですよね。
参考資料:https://industry-co-creation.com/catapult/78361
ルームクリップでデータ整備がされた今、今後の展望にもある通り、ユーザーの行動データとかけ合わせたデータ分析・活用ができ、より顧客一人ひとりに合わせたサービス展開ができるようになると期待できます。
ところで、近年、国内のEC市場規模は拡大傾向にあるようです。
経済産業省の昨年の発表では、BtoCのEC市場規模は、令和3年のデータで20.7兆円(前年比7.35%増)に拡大しているとのこと。特に、物販系分野のEC市場規模は13兆円を超えており、中でもルームクリップのような「生活雑貨、インテリア分野」は、2兆円を突破、EC化率28%を記録しています。
参考資料:https://www.meti.go.jp/press/2022/08/20220812005/20220812005.html
そんな今注目のEC市場に、ルームクリップも「RoomClipショッピング」のリリース(2021年3月)と同時に参入しました。
販売事業者からの情報発信がメインだったECにおいて、実際にその商品を利用しているユーザーからの実例写真とコメントの投稿が、商品の魅力を伝えるメインの情報となる、いわば、ユーザーと共創するECサイトを作りあげた同社。
また、購入の参考となった投稿を行ったユーザーに、貢献度に応じたインセンティブを付与するポイント制度を導入することで、購入者の実例写真投稿を促し、さらなる新規ユーザーの獲得にも繋げることができます。
ユーザーが写真を投稿するSNSサービス「RoomClip」を運営していた同社だからこそ、プラットフォーマーとして顧客体験価値を提供できたといえます。大手事業会社がこぞって自社ECを開設しているなか、ルームクリップのEC市場でのさらなる躍進に期待します。
執筆者/
リビルダーズ編集部 甲山 奏子