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エンジニア志望の学生が1番使いたいプログラミング言語は「Python」

情報発信元:https://leverages.jp/news/2023/0228/3465/
(別サイト「レバレジーズ株式会社 ニュースリリース」を開きます。)

2023年2月28日、レバテック株式会社はエンジニア志望の就活生が今後仕事で使いたい言語はPythonであるという調査結果を発表しました。

エンジニア志望の新卒向け就職支援エージェント、レバテック株式会社運営のレバテックルーキーは、2024年度に卒業を予定しているエンジニア志望の大学生に対し調査を行いました。調査期間は2023年1月11日から同年1月13日まで、有効回答数は200名です。大学生の間にどの程度学習をしているか、仕事で使いたい言語は何か、今後習得したい言語は何か、などのトピックを調査しています。

エンジニア志望の大学生のプログラミング経験について

68%の学生が「プログラミング経験あり」と回答しました。経験年数は「半年未満」が18.5%で最多、半年以上1年未満が「14%」、1年以上2年未満が「14.5%」という結果になりました。「3年以上」経験している学生は全体の9.5%と、長く経験している学生も1割ほどいます。また学んだ言語はPythonが73.5%、C/C++が60.3%、Javaが36.8%、JavaScriptが27.9%となっています。(学んだ言語については複数回答可)

エンジニア志望の大学生が仕事で使いたいプログラミング言語について

1位は昨年の調査同様にPythonでした。複数回答可であるものの70.0%の学生が仕事での活用を希望しています。理由としては、「汎用性が高く、幅広く使われる言語であるから」が44.3%、「シンプルであるため書きやすいから」が42.9%、「作りたいサービスに用いることができるから」が30.7%となっています。(理由は複数回答可)

また2位はC/C++、Javaでともに46.0%、つづいてJavaScriptで30.5%という結果です。5位のPHPは7.5%と4位と数値が離れる結果となりました。

エンジニア志望の大学生が今後習得したいプログラミング言語について

複数回答可の本項目では、1位はJavaでした。43.0%の学生が習得したいと答えました。理由としては、「汎用性が高く、幅広く使われる言語であるから」が最も多く46.5%、次いで「作りたいサービスに用いることができるから」が33.7%、「シンプルであるため書きやすいから」が15.1%となっています。2位は35.5%でJavaScript、3位は28.5%でPythonという結果となりました。

【執筆者コメント】
今回は、学生のプログラミング言語のトレンドを調査したレバテックの発表を取り上げました。エンジニア志望の学生の興味と今のIT業界のトレンドで相関関係があることが改めて分かる調査です。

多くの学生はPythonやC++、Java、JavaScriptを在学中に学び、仕事でも用いたいと考えていることが今回発表された調査で判明しました。ではエンジニア市場の需要と合致しているのでしょうか。

レバテック社の「ITエンジニア・クリエイター正社員転職・フリーランス市場動向 2022年12月」を見ると、エンジニアの求人倍率が分かります。まずエンジニア自体の正社員求人倍率は15.8倍となっています。2021年6月から15倍以上の高水準で推移しており、5倍を下回っていた2018年と比較すると、ここ数年はエンジニアへの需要が高止まりしている現状が分かります。スキルや職種別の求人倍率をみると、Pythonは14.6倍、Javaは23.3倍、となっており、エンジニアの売り手市場は続いています。PythonやJavaを学びたい学生が多く、かつ市場的にも需要が高まっている理由は、汎用性の高さにあると言えます。

Pythonは、AIの開発やデータ分析処理、スクレイピングをはじめ、webアプリ、webサービスを開発することができます。その他にAndroidアプリや組込みシステムを開発することもできます。またブロックチェーン技術の開発などもPythonで行うことができるなど、非常に汎用性が高い言語
であると言えます。

ただPythonは処理速度が遅く、webデザインにも向かないことはデメリットです。昨今のDX推進の流れの中でデータ分析は非常に重要な要素の一つであり、かつ書きやすい言語と言われていることから、今後も求人倍率は高止まりすると考えられます。また理系の学生においては研究でPythonを用いてデータ収集などを行うこともあるため、学生にとって身近な言語であるといえます。

Javaはwebアプリ、webサービスの開発、Androidアプリの開発などができる他、組み込みシステムやIoTの開発なども可能であり、汎用性が高いといえます。PHP、Rubyなどのweb系のプログラミング言語と比較すると学習難易度が高いと言われている言語ですが、オブジェクト指向の言語であり、拡張性もあるため、大規模なシステム開発に向いています。簡単なシステムの開発を手軽に行うことには向かないと言われていますが、twitterなどのwebアプリや企業の大規模基幹システムなど様々なシステムを構築することができることも、求人倍率が高く学生が学びたいと考える言語であることの理由でしょう。

先日執筆した記事「ビズリーチ 採用担当者が検索したキーワード 2022年トレンドを発表」(https://rebuilders.jp/dx-news-20230301/) において、11位に「Python SQL」が入っていると記載した通り、DX推進と親和性がある言語のひとつはPythonであり、今後も需要が高止まりすると予測できます。また2000年以降、Go、Dart、Kotlin、Swift、Hackなど新しい言語が各社から発表されており、Goやスマホアプリ開発ができる言語のエンジニア単価は他言語と比べ高い傾向があります。今後どのような技術が出てきて、需要が高まるか、エンジニア志望の学生は着目する必要があると言えるでしょう。

執筆者/
リビルダーズ編集部 橋爪 勝万

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