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株式会社シーエスコミュニケーションは、バーコードなしの製品をたった0.2秒で正確に認識するエッジコンピューティングとPOSシステムを連携した無人レジを実現する、「エッジIRリーダー」の提供を2023年春に開始することを発表した。
バーコードの課題
既存に普及しているバーコードは専用リーダーでの読み込みが必要で無人化が困難であり、代わって登場したRFIDシステム(※1)は、特殊タグを付ける際の手間やコストが高額で普及が進まないなど、店舗での会計は課題が多く残っている。
また、無人レジは1台200〜300万円という高額な初期費用がかかり、防犯対策も万全ではない状況だ。
さらに、バーコードを商品に付加することができないパン屋やラーメン屋、イベントでのグッズ販売店では、店員が対応するか、一台300万円ほどする券売機の導入などでしか、対応ができない。
(※1)Radio Frequency IDentification System:電波・電磁波を用いたIDシステムのこと
この技術によって目指されるもの
「エッジIRリーダー」は、低コストでバーコードも不要であるため、少人数で運営する小さな店舗、イベントでのグッズ販売店など、バーコードの添付および表示が困難な商品を取り扱う店舗でも導入が可能である。実社会にて活用されることで、多くの店舗の課題である人手不足問題を解消する「無人レジ化」を進めることが可能だ。
エッジコンピューティングとは
エッジコンピューティングとは、ネットワーク上でデータ処理を行い、加工したデータのみをクラウドに送信する技術である。データ通信やクラウド上での処理に要する時間を削減し、AIカメラから読み取ったデータを高速で処理することが可能だ。
従来の動画認識技術では、読み込みに5〜6秒かかっていたが、「エッジIRリーダー」では、このエッジコンピューティング技術を採用することで、わずか0.2秒ほどでの認識が可能となった。
これら技術を用いて複数因子のデータ分析を瞬時に行うように「AI実装」を施された設置カメラは、一般のカメラ8台分の性能を有し、さらにPOSレジがAPI(※2)連携できれば、無人レジのように自動で会計ができるシステムとなっている。
商品を入れたカゴを指定の場所に置くことで、商品が自動的に認識され、POSレジで高速会計を実施することができる。また、人件費削減とともに、消費者によるスキャンの手間やミスも軽減することが可能だ。
(※2)Application Programming Interface:ソフトウェア・プログラム・Webサービス間をつなぐインターフェース
【執筆者コメント】
今回はカメラのAI実装によるバーコード不要の商品認識DXの例をご紹介いたしました。
セブンイレブンが全店舗にPOSレジを導入したことをきっかけとして、1984年に全国にバーコードが普及(※3)しました。そこから40年が経とうとしている現在でも、コンビニや商品管理の現場において、見ない日はありません。
一方で、2022年の12月9日にAmazon社はバーコード廃止に向けた取り組み(※4)をしていることを発表し、これらによって荷物を顧客により迅速かつ正確に届けられるようになる、としてバーコードが無くなる未来もそう遠くありません。(マルチモーダル識別と呼ばれている)
今回ご紹介したソリューションでは、販売者、購入者ともにお会計の際の購入商品登録の時間を削減することや、大幅な人件費の短縮による商品の値下げなどが可能となります。
一方で、既存の製品を判別するために再度登録の作業が必要になるなど、このサービスの導入コストがどのくらいになるのかによって、普及のスピードが変わってくるでしょう。また、今までつかっていた商品登録方法からこのやり方に変えた場合、変更にかかる様々なコストや削減できる工数がより明確になれば、導入への訴求もよりインパクトが強くなるのではないかと感じました。
今後多くの事業者に導入されることで、より洗練された、社会のスタンダードになり得るサービスとなりそうです。
(※4)Amazon|How Amazon Robotics is working on new ways to eliminate the need for barcodes
執筆者/
リビルダーズ編集部 城間 礼音