情報発信元:https://japan.zdnet.com/article/35196226/
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株式会社Works Human Intelligenceは、外務省の人事給与システム更改に際して、統合人事システム「COMPANY」を用いた提案を行い、一般競争入札において落札したことを発表しました。
同社は今回の入札において、中央省庁や独立行政法人、地方公共団体での導入実績を多数持つ「COMPANTY人事・給与」「COMPANY Web Service」の導入を提案し、技術面、価格面において評価された結果、今回のPJ受託に至りました。
今回の人事給与システム更改業務では、具体的に、人事管理、給与計算および電子申請・交付機能の抜本的な刷新と、働き方改革・ワークライフバランスの取り組みに向けたシステム対応を行うということで、外務省はこれらを統合的に運用・管理できるシステムを2022年~2024年度までの3か年度で構築することを決定したとのことです。
外務省では、同省と在外公館に勤務する常勤職員の人事管理・給与計算を行うため、人事給与などの業務システムを1963年に設計・構築し、今日まで約60年もの間運用し続けてきました。その中で、法令や制度の改正、ハード・ソフト面の技術革新などに伴って改修を行ってきましたが、システムの老朽化に加え、外務省DX推進計画や、働き方改革・ワークライフバランスへのシステム対応が必要となっていました。
Works Human Intelligenceは、今後も統合人事システム「COMPANY」の提供を通じて、大手法人に向けて人事DXの支援をしていくとしています。
【執筆者コメント】
今回は、外務省における人事給与システム刷新の話題を取り上げました。
約60年も使われてきたシステムを刷新するとのことでしたが、省庁は、その歴史が長いからこそシステムの老朽化がDX推進の大きな背景となるのだろうと想像できます。
記事内に“外務省DX推進計画”とありましたが、内容が気になりますよね。外務省は、2021年5月にDX推進のビジョン「デジタル化推進による外交化強化〜私たちの5年後のビジョン」を策定し、省内職員に共有、これを受けて新設されたDX推進チームが本格的に始動しました。
このDX推進チームは、若手職員20名の有志によるタスクフォースを中心として結成されたもので、今後の外務省を担う若者の意見を大切にしたいという思いから作られた組織だそうです。
これら組織全体の指揮を執る、同省の業務改善推進本部長、森事務次官は、外務省DXが目指すところを以下のように語っています。外交は「人」が要である。デジタル技術が「人」を完全に代替することは不可能だ。だからこそ、「人」が担ってきた業務をデジタル化・合理化し、組織として限られた資源(人材、予算、時間)を「人」にしかできない外交活動に集中させたい。
国際社会の主要国である日本は、世界の平和と繁栄のために汗をかく責任と能力がある。そのための外務省のデジタル化・合理化を通じた外交力の強化は待ったなしである。
森事務次官の言葉を聞いて、外務省が目指すDXとは、DXによって人を活かし、外交力を高めることなのだなとわかります。また、近年、公務員の数が減少傾向にあるようで、2000年に約113万人いた国家公務員は2021年には59万人にまで減少しているとのことです。今後も減少は継続していくと考えられており、だからこそ限られた「人」をどれだけ外交活動に専念させることができるかが重要な課題となるのですね。
今回の記事で取り上げた人事給与システムの刷新は、外務省DX5か年計画の4つの柱のうち、<技術革新の取り組み>にあたります。昨年には「内閣人事局長賞」も受賞している、外務省DX推進チーム。今後も、4つの柱を中心とした、彼らの“人を活かすDX”への挑戦に注目していきたいですね。
(出典記事)
https://www.iais.or.jp/articles/articlesa/20211019/202112_01-1/
https://dx-consultant.co.jp/internal-ministries-localgovernment-five-case/
執筆者/
リビルダーズ編集部 甲山 奏子