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Swift Xi、都市環境向けUAV(無人航空機)飛行計画プラットフォーム構築プロジェクトに採択

情報発信元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000036071.html
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スウィフト・エックスアイ株式会社 は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「産業DXのためのデジタルインフラ整備事業/3次元空間情報基盤に関する研究開発」で、共同提案事業「情報容量が可変するセマンティックデータ(実世界の意味的な構造を表しているデータ)連携空間IDからなる3次元空間情報基盤構築と基盤を通じた2拠点でのドローン自律移動の安全かつ効率的な運行の実現」を受託した。

本プロジェクトの狙いについて

NEDOの基本計画では

①空間ID(※1)を共通インデックスとして多種多様な空間情報を検索・統合して活用することを容易化・効率化する
②3次元空間情報を機械が判読しやすい形式で提供することにより、ドローンや自動配送ロボット、自動運転車など自律移動ロボットの安全・効率的な運航を実現する
③これらの実現により空間IDを活用した新たな価値を創出する

が目指されている。

(※1)空間IDとは・・・3次元空間を立方体のボクセルに分割し、ID を割り当てたもの
→ボクセルとは、三次元グラフィックスなどで、立体物の表現に用いられる小さな立方体の最小単位のこと

(参照: NEDO|3次元空間を一意に特定する空間IDの整備に係る調査)

このプロジェクトで実現できること

現在、ドローン等の安全な飛行に際し、国と民間がそれぞれが所有しているデータを統合して参照する技術や、地上の人や車両の情報から安全飛行ルートを選定する技術、ドローンの位置情報への攻撃対策などを統合したプラットフォームは存在していない。

本プロジェクトは、3次元空間情報基盤のアーキテクチャ設計と社会実装に向けた実証を行うSSIL(宇宙サービスイノベーションラボ)が以下4企業を取りまとめることにより実施される。

  • Intelligent Style 株式会社(3次元空間情報基盤の開発・実装を担当する)
  • 株式会社ゼンリン(独自の飛行ルート自動作成システムによりドローン飛行計画のリスクマネジメントシステムの開発を担当する)
  • Location Mind株式会社(ドローンの運航リスク算出に必要な動的人流ビッグデータとドローン位置情報に対するSpoofing(※2)の脅威に対する安全支援策の策定を担当する)
  • Swift Xi株式会社(3次元空間情報基盤、リスク管理システム開発のためのドローン実証飛行を担当する)

このプロジェクトは、国の主導のもと、最先端のノウハウをもつ企業が協力し、統合された3次元空間情報基盤の開発に取り組むことで、これまで存在しなかった相互にデータやシステムを連携するための標準・ルールを開発することが期待されている。

(※2)Spoofing とは・・・ハッカーがデータを盗み、マルウェアを拡散させるため、またはアクセスコントロールを迂回するためにネットワーク上の別のデバイスまたはユーザーになりすますこと

【執筆者コメント】
今回は都市環境に向けた無人航空機のためのプラットフォーム構築の例をご紹介いたしました。

国土交通省航空局の発表資料(※3)によると、現行の航空法では禁止されている有人地帯における目視外飛行(「レベル4」飛行)について、2022年12月から一部解禁が予定されており、それに合わせてドローンの免許制度も制定されます。

これらが実現すれば、今まで地方で実証実験が行われてきたドローン配達サービス(※4)が、住宅地などの人口の多い地域でも利用が可能になります。

一方で、ドローンの運用において最も大きな障壁となるのは、ドローン故障による人的被害であり、今後も官民一体となりスピード感をもって法整備とインフラ整備を進めていくことが必須となりそうです。

近年、電子商取引の増加に伴い、宅配便の取扱い数も年々増加傾向にあります。国土交通省の発表資料(※5)によると、令和3年度の宅配便取扱個数は、49 億5323 万個であり、前年度と比較すると1億1676万個、2.4%の増加となっています。

一方で、物流業界では慢性的なドライバー不足や再配達による効率低下が問題視されており、ドローンサービスの実現による業界へのインパクトは計り知れません。

今回はドローンサービスでの例をご紹介いたしましたが、現在では空飛ぶクルマ(※6)などの実用化に向けても官民協議会によって着々と議論が進んでおり、今後の業界動向に期待です。

(※3)国土交通省航空局│無人航空機のレベル4の実現のための新たな制度の方向性について
(※4)KDDI│国内初! 自治体運営によるドローン物流事業~空飛ぶデリバリーサービス「ゆうあいマーケット」~
(※5)国土交通省│令和3年度 宅配便取扱実績について
(※6)経済産業省│空の移動革命に向けたロードマップ

執筆者/
リビルダーズ編集部  城間 礼音

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