情報発信元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000094.000017155.html
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本年10月25日、INCLUSIVE株式会社と、その子会社であるINCLUSIVE SPACE CONSULTING株式会社(以下「ISC」)は、北海道大樹町と、衛星データを利用した地域課題の解決や「宇宙のまちづくり」の活性化を目的に、包括連携協定を締結したことを発表した。
北海道大樹町は、「北海道に、宇宙版シリコンバレーをつくる」というビジョンを掲げて「宇宙のまちづくり」を進めている。
大樹町が整備を進めている北海道スペースポート(以下「HOSPO」)はアジア初の民間スペースポートと言われており、日本国内の民間企業が単体で開発したロケットとして、日本初で宇宙に着いたロケットの開発ベンチャー企業であるインターステラテクノロジズ株式会社(以下「IST」)が拠点としている。
INCLUSIVEは前からHOSPOを運営するSPACE COTAN株式会社(以下「SPACE COTAN」)に出資するなど、宇宙版シリコンバレーの形成に注力してきていた。
また、今年8月にはISCが経済産業省「令和4年度宇宙産業技術情報基盤整備研究開発事業(SERVISプロジェクト)の中でも衛星データ利用環境整備・ソリューション開発支援事業」における衛星データの無料利用事業者に選ばれ、大樹町にて衛星データを活用した実証試験を行なっていた。
今回の協定は、INCLUSIVEグループが持つノウハウをフルに活かし、大樹町の地域活性につながる取り組みをより強化していくものである。
より具体的にいうと、ISCが大樹町における衛星データを利用した地域産業、行政業務の生産性の最大化、また省人化の可能性を調査し実証試験を行っていく。
また、衛星データ利用だけでなく、INCLUSIVEが運営する『北海道Likers』などのデジタルメディアを利用した情報発信の活性化や、グループ会社である株式会社オレンジ・アンド・パートナーズの「企画」の力、株式会社ナンバーナインと共同で制作中の大樹町を舞台とするWEBTOON『晴天のデルタブイ』を活用した観光事業の活性化などをやっていき、宇宙のまちづくり推進に尽力していく。
【執筆者コメント】
北海道の大樹町は、北海道十勝総合振興局南部にある町であり、元から「宇宙のまちづくり」を標榜し、航空や宇宙分野での実験や飛行試験に注力しており、主に大樹町多目的航空公園でJAXAや大学などの研究機関が実験を行っていた。カントリーサインも滑走路を背景とした宇宙往還機らしきものとなっているのが特徴である町である。
そんな北海道大樹町が今回INCLUSIVEおよびINCLUSIVE SPACE CONSULTINGと包括連携協定を締結した。目的としては元々大樹町がビジョンとして掲げていた「宇宙のまちづくり」を推進していくこと、衛生データを活用し地域課題を解決することなどである。
大樹町が宇宙産業に注力している背景として、世界が成長産業として注目する宇宙産業の市場規模は、2040年に100兆円まで拡大するという試算が出ていることがあげられるかもしれない。また、500kg以下の小型人工衛星の打上げは、2019年は350機程度だったのに対して、1,000機程度(2030年)に拡大する予定である。この需要を満たすためには現状に加えて年間60-300機の小型衛星打上げのためのロケットや射場が必要となるが、現状アジアに民間の人工衛星用ロケット射場はない。
そこで大樹町は北海道スペースポートの整備を行っているというわけである。
北海道スペースポートは、世界の民間企業が利用できるロケット射場としてはアジア初であり、かつ、水平離着陸および垂直打上げ対応型の宇宙港としてもアジア初となる。
アジア初とインパクトの強い内容でありこれから必要になっていく産業であるので今回の連携協定の締結をきっかけに日本の中で宇宙産業がよりとりあげられ注目されていくのか今後見ていきたい。
執筆者/
リビルダーズ編集部 宮田 健志郎