情報発信元:https://www.ebc.co.jp/news/data/?sn=EBC2022100310786
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10月3日はデジタルの日(※1)の日ということで、愛媛県庁の入口には「SoftBank」のロゴが入った大きなゲートが設置されました。実はこれ「どこでもドア」を疑似体験できるデジタルデバイス。
タブレット端末のカメラをゲートにかざすと、ゲート内には光のカーテンが現れます。そしてそのままゲートをくぐると、タブレットを通してみる映像には愛媛県の観光名所が映し出され、まさしく「どこでもドア」を体験できる。この技術はAR(※)というデジタル技術を活用して実現した仕組みです。
そのほかには、ヘッドマウントディスプレイ(※)を装着して、仮想空間の中に映し出された立体的な模型に触れたり、回転させて違う角度に回転してみたり、拡大表示することができる。
この取り組みは、デジタルの日にちなんで愛媛県庁がデジタル技術を県民に身近に感じてもらうために実施しているもので、DX推進について連携をしているソフトバンクの協力により実施しているものです。
愛媛県では本取り組みを、10月7日まで実施するとのことです。
「用語説明」
(※1)デジタルの日とは・・・国民にデジタルに関心を持ってもらうために、2021年に日本政府が設立した記念日のことで、毎年10月の第一日曜日と月曜日の2日間を指す。また10月の一ヶ月をデジタル月間という。この記念日の目的は、社会全体でデジタル技術と向き合い体験をしようというもの。また、官民が連携してデジタル技術の体験機会を広く提供し、来たるデジタル化社会を身近に感じてもらう取り組みを実施している。
(※2)ARとは・・・Augmented Realityの略で、目の前の風景に仮想的に情報を重ねて表示することで、目の前の風景を拡張することを指す。基本的な仕組みとしては、現実世界の映像をデジタル端末を通して取り込み、その端末内で取り込んだ映像の上に情報を重ねて表示することで実現する。最近の事例でいうと世界的にヒットしたポケモンGOがある。
(※3)ヘッドマウントディスプレイとは・・・頭部に装着するディスプレイ装置のことで、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)の体験を提供する装置。ユーザーの目の前には映画館のように映像が映し出され、立体的な映像を見たり仮想現実の中を動き回ること等が可能です。
【執筆者コメント】
デジタルの日というのを全くしらなかったので起源について調べてみたところ、創立2021年のデジタルの日は、2021年10月10と11日だった。なぜこの日にちかというと、コンピュータによる情報の表現が「0と1の組み合わせ」であることが由来であり、これは国民からの意見を参考にして決定したという背景があるようだ。ただ、2022年以降は第一日曜と月曜と定義したようだ。
デジタルの日は官民が一体となりデジタル化社会をもっと盛り上げていこうという取り組みであり、公式ホームページではこの取り組みに賛同してくれる企業や自治体、団体を垣根なく募集している。昨年はこの取り組みに賛同した企業はおよそ700であったが、2022年は2022/10/05時点で911と前年よりも増加している。賛同している民間企業は公式ホームページからカテゴリー別に検索できるようになっている。
(※参考)「デジタル庁」https://digital-days.digital.go.jp/search/
デジタルの日ならびにこのデジタル月間である10月は、国や自治体そして賛同企業によるイベントが数えきれないほど実施されている。ためにしに「デジタルの日 イベント」で検索すると、河野デジタル大臣が参加する対談イベントや、三重県津市主催によるVR体験やプログラミング教室、NTTデータによるプログラミン体験イベントなど、さまざまなイベントが開催されている模様だ。
これらイベントは無料で参加できるので、経済的負担を気にする必要もないし、各団体が予算と時間を割いて実施しているものばかりなので、この機会を活用して最新のデジタル技術に触れるのはメリットしかないと感じた。個人的にはVR関連市場は成長していることは認識しているが、身近なところでVRを楽しんでいる人間を見かけない。
VRを楽しむにはヘッドマウントディスプレイ(2万円〜10万円程)とコンテンツの両方の購入が必要になるが、よほど好きなコンテンツがない限り気軽に出せる人は少ないと思う。そしてそもそもVRという新しい体験を未経験がゆえに手が出せない人も多いだろう。そういったハードルを取り払うにはデジタルの日の取り組みは有用だと思うし、これによりVR市場にも少なからず経済効果は発生してくると考えている。
筆者が調べたところによると、政府主体でデジタルの記念日を設けるという事例は海外にはなかった。格差社会が進んでいることについて課題視する声が多い中で、デジタルの日によって地域や収入による壁を感じることなくデジタルの恩恵が広く共有されることは、日本のデジタル化推進において非常に意義のある活動だと感じる。
執筆者/
リビルダーズ編集部 木城 秀人