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ぴあ株式会社、観光庁のDX推進事業への採択および「ユニタビ」のサービス開始

情報発信元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002442.000011710.html
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観光庁が主導する「DXの推進による観光・地域経済活性化実証事業」に、ぴあ株式会社が企画・実施する事業が採択された。

そのなかで、スポーツ観戦に訪れたファンやサポーターによる経済活動を促す実証実験をおこなうにあたり、スマートフォン向けアプリ「ユニタビ」のリリースを開始した。

このサービスが提供される背景

良く知られているように、新型コロナウイルス感染症の影響によって、観光地を始めとする各地域経済は大打撃を受けている。ぴあがチケットを販売する各種イベントにおいても、収容人数制限を強いられたことによって、イベント主催者や会場周辺の事業者までもが様々な影響を被ってきた。

そのような背景から、年間を通して数千人から数万人のお客様が定期的に来場されるサッカー観戦を対象に、「ユニタビ」の活用によって、今後の持続的な興行の発展と地域経済の活性化を図る狙いだ。

「ユニタビ」とは

ユニタビは、「ユニ着て、旅する」をコンセプトに、観戦とそれに付随する旅のお供となることで、観戦の1日を楽しむための情報を提供するアプリだ。スタジアム観戦を行う1日全体を「旅」と定義し、観光客には試合の前後もユニフォームを着て、観光地巡りや食事を楽しんでもらうことを目指す。

また「Jリーグチケット」で購入した観戦チケットの情報を本アプリに登録することで、①アクセス情報や周辺の飲食店や観光ガイド②選手やサポーターに人気な飲食店など、地元ならではの情報を確認でき、スタジアムを訪れる際の参考にすることが可能だ。

観光庁「DXの推進による観光・地域経済活性化実証事業」とは

旅行者の消費機会の拡大および消費額の増加を目指し、観光庁ではデジタル技術・ICTと観光地・観光資源との掛け合わせ、新たな観光地経営のモデルの構築と、その経営を改善する取り組みを支援するモデルの実証および実験を行っている。

具体的には以下の通りだ。

  • 地域内、地域間、事業者間のデータやシステムの連携
  • オンライン配信技術を活用したコミュニケーション戦略を活用した新たな来訪需要の創出
  • XRや5Gなどを活用した魅力的な体験型コンテンツを創ることによる体験価値の向上 など

XRとは・・・

VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)、SR(代替現実)など、現実と仮想の世界を融合して疑似体験を提供する空間を創り出す画像処理技術の総称

引用元:株式会社SEデザイン「XR(エックスアール)とはなにか?」

(※参照)観光庁|DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進による観光・地域経済活性化実証事業

【執筆者コメント】
今回はスポーツ観戦と観光を結ぶDX推進の例をご紹介いたしました。

昨年実施されたスポーツマーケティング基礎調査(※1)によると、スポーツ参加市場の規模は1.1兆円と新型コロナウイルス感染症拡大前(2019年)と比較すると、半減していることが分かっています。加えて、スタジアム観戦した人は2020年度データでは全体の13.7%でしたが、2021年は8.3%と大きく減少しています。

一方で、デロイトトーマツコンサルティングによる調査(※2)では、コロナ禍を通じた在宅勤務の普及によって増加した可処分時間は、一定程度スポーツに投資されることが示唆されています。実際、観戦するにあたっての年間支出額は2020年から2021年で約8.3%も増加し、41,347円の支出(1人あたり)となっています。

今回の事例によって、スポーツ観戦をする旅行者が「ユニタビ」を利用し、地域社会との接点を持つことで、よりこの動きは加速すると言えそうです。また、今回の実証実験によってスポーツと観光地経営を結ぶモデルの確立がなされれば、スポーツ観戦を起爆剤として、観光業界の大復活が見込めるだけでなく、地方都市の新たな活路を見出すことさえも実現できそうです。

このDX推進を大きく進め、成功させるには、メタバースなどのデジタル技術の活用に向け、官民が一体となって協業を進めていけるかどうかがカギとなりそうです。

(※1)三菱UFJリサーチ&コンサルティング|【速報】2021年スポーツマーケティング基礎調査
(※2)デロイトトーマツコンサルティング|スポーツがコロナ禍を乗り越えるために

執筆者/
リビルダーズ編集部  城間 礼音

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