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三菱商事、倉庫産業DXの実現をめざす共同事業に参画

ニュース発信元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000103326.html
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三菱商事が自社で進めてきた倉庫産業DX事業を新設子会社であるGaussyへ譲渡するとともに、6社のパートナー(※1)がGaussyに出資・参画した。

Gaussyは、三菱商事が2020年にサービス提供を開始した倉庫ロボットのサブスクリプションサービス「Roboware」、シェアリング倉庫サービス「WareX」の提供によって、多様な産業の倉庫ユーザーと倉庫事業者をつなぐプラットフォームの構築を目指す。

(※1 三菱商事ロジスティクス、東京大学協創プラットフォーム開発(以下、「東大IPC」)、プロロジス、三井不動産※、三菱HCキャピタル、三菱地所 の6社

倉庫産業が抱える課題

生産者から消費者までを結ぶサプライチェーンは、保管と輸送を組み合わせた物流機能で構成されている。その要所を担う国内倉庫市場はおよそ7兆円もの市場規模を有している一方で、労働力不足や属人化、長期契約によるキャパシティの固定化によって、多様なビジネスシーンでムリ・ムダ・ムラが発生している。

米国や中国などを筆頭に、世界的にも同様の課題を抱えており、自立走行が可能な倉庫ロボットの開発や倉庫の空きスペースのシェアリングといった新たなビジネスモデルの普及が進んでいる。

これらの課題解決に向け、Gaussyは以下の2つのサービスを提供する。

①「Roboware」

倉庫現場の労働力不足や属人化といった課題に対して、誰でも簡単にロボットを使って倉庫運営ができるサブスクリプション型の倉庫ロボットサービス

②「WareX」

倉庫キャパシティの過不足といった課題に対して、誰でも簡単に倉庫空きスペースを利用できるシェアリング倉庫サービス

「物流から新しいチャンスを」をビジョンに掲げるGaussyは、倉庫ニーズや荷量の変化へフレキシブルに対応できるような仕組みの構築によって、ビジネスに今までにない新たな選択肢を提供する。

【執筆者コメント】
今回は倉庫産業へのDXについて、ご紹介いたしました。

世界的なECの発展によって、倉庫は単なる保管の場所ではなく流通加工・包装・情報管理の業務を担う場所となりました。その反面、個人単位の利用者が増え、小口化と単価の低下がおきています。さらに、慢性的な人手不足により、倉庫を管理するためのコストは上がり続けているようです。

これらの現状を打開するべく、現在の日本の物流政策は2021年6月に閣議決定された「総合物流施策大綱(2021年度~2025年度)」に基づいて行われています。総合物流施策大綱によると、今後の物流が目指すべき方向として、

・物流DXや物流標準化の推進によるサプライチェーン全体の徹底した最適化(簡素で滑らかな物流の実現)
・労働力不足対策と物流構造改革の推進(担い手にやさしい物流の実現)
・強靱で持続可能な物流ネットワークの構築(強くてしなやかな物流の実現)

といった3つが示されています。

今回ご紹介したGaussy社のようなサービスを導入することで、これらの取り組みをよりスピード感をもって、円滑に行うことができるようになるでしょう。一方で、長期的に業界全体を発展させていくためには、官民が一体となってDX人材の育成に取り組み、継続的な成長ができる土壌を作れるかどうかがカギとなりそうです。

(参考文献)国土交通省|総合物流施策大綱

執筆者/
リビルダーズ編集部  城間 礼音

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