ニュース発信元:
https://www.tmaxsoft.co.jp/press/11626
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https://www.unirita.co.jp/press/2022/220531_press001.html
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日本ティーマックスソフトと株式会社ユニリタエスアールは、脱メインフレーム企業向けサブスクリプションサービス「Structure AtoZ」を提供開始します。こちらは、ユニリタエスアールのクラウドリフトソリューションの「SRクラウドパッケージ 」と、ティーマックスソフトのメインフレーム・モダナイゼーション・ソリューションの「OpenFrame」を組み合わせることで、「脱富士通メインフレーム、クラウド移行、システム運用、保守」をワンストップ&サブスクリプションで提供するようです。
背景
今回の協業には以下3点の背景があるといえます。
1.富士通のメインフレーム・UNIXサーバの2030年製造終了発表を受け、同サービスを利用しているユーザー企業は脱メインフレーム化の対策を早急に実現することが求められます。
2.脱メインフレーム化の移行には膨大な予算獲得が必要となり、移行への大きな障害となっています。
3.メインフレームで主要な言語として使用されている、COBOLやPL/1に精通する技術者の高齢化、若年層がCOBOLを学びたがらないことなどから、人材不足が起こっています。
「Structure AtoZ」とは
「Structure AtoZ」とは、クラウド移行とその後のシステム運用業務全般をワンストップで支援、実現する、アウトソーシングサービスです。ティーマックスソフトの「OpenFrame」によって検討・分析・移行・テストが自動化されます。さらにユーザー企業自身による移行も可能となります。
その後、ユニリタエスアールが30年をかけて培ったメインフレームシステム運用ノウハウを駆使して「クラウド移行後のシステム運用・保守」がワンストップで提供されます。さらに、大規模な予算の確保が求められていたメインフレームマイグレーションを、サブスクリプションサービスとしてよりコンパクトに、各企業のサイズに合わせた形で提供することが可能です。
ティーマックスソフトの「OpenFrame」は、富士通メインフレームからクラウドへの「リホスト(※)」を可能にする数少ないソリューションで、同メインフレームの小型と大型のOSどちらもリホストした経験を持ちます。またユニリタエスアールの「SRクラウドパッケージ」は、同社のCOBOLに精通したエンジニアがクラウド上でのCOBOL保守運用代行をサービス提供します。
以上、2つを組み合わせることで、脱メインフレームを月額サービスにて提供することを実現します。
(※)リホストとは・・・現状のアプリ(プログラム言語・ビジネスロジック)を変えずにハードウェア・OSをパブリッククラウド・Linux等に移すこと。
今後の展開
ティーマックスソフトとユニリタエスアールは、「Structure AtoZ」を月額300万円から提供し、「脱メインフレーム」を検討する企業に対して戦略的なIT投資予算の捻出を可能とします。同2社は今後3年間で約5億円の売上を見込んでいる。
【執筆者コメント】
ここ最近、富士通のメインフレームの製造販売終了が発表されたことを機に、メインフレームのクラウド移行が話題に上がっているように思います。ただ、レガシーシステムをオープンシステムに移行するとなると、理想的な方法は「リビルド」と呼ばれる、ハードウェア・OSをすべて新しいパブリッククラウド・Linux等に移行し、アプリケーション・業務ロジックも新しい開発言語で開発する手法ではないでしょうか。
しかし、現実的には時間もコストも膨大にかかるため各ユーザー企業にとってはハードルの高い作業となっていることも確かです。そこで、今回の記事にあったような「リホスト」を実現するサービスの人気が高まってくると予想ができます。さらにサブスクリプションサービスでの提供ということで予算の捻出のハードルも下がると思われます。
今後、ティーマックスソフトとユニリタエスアールが提示した新サービスによって、脱メインフレームを試みる企業が増え、同サービスは日本のDX推進を加速させる一助となるのではないでしょうか。
執筆者/
リビルダーズ編集部 甲山 奏子