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ナレッジスイート株式会社が経済産業省からDX認定を取得

法人向けSaaSを多数展開するナレッジスイート株式会社が、経済産業省から「DX認定取得事業者」に認定されたと、同社ホームページ上で知らせました。

営業支援・業務支援クラウドコンピューティングカンパニーのナレッジスイート株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 稲葉 雄一、東証グロース市場:証券コード 3999)は、2022 年 6 月 1 日付で経済産業省が定める『DX認定取得事業者』に認定されたことをお知らせいたします。

引用元:ナレッジスイート株式会社コーポレートサイト「IR情報」より

DX認定取得事業者とは?

国が日本のDX推進のために設けた認定制度で、経済産業省が認定者、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が認定審査機関だ。認定を受けるためには、国が定めたDX企業として基準である「デジタルガバナンス・コード」を満たしている必要がある。

参考:DX認定制度について
参考:デジタルガバナンス・コードについて

認定を受けると何かとメリットがあり、具体的には、

・IPAのホームページ上で企業名が公表される
・コーポレートサイトにDX認定制度のロゴを掲載できる
・企業ブランディングやIR、採用面においてアピール材料となる
・税制の優遇措置を受けるための条件を満たせる
・DX銘柄に選定される資格を得られる

などである。申請は通年可能で、費用については無料となっている。

今後ますます日本のDX推進の潮流は勢いを増していくだろうが、国からのDX認定を受けることは企業としては大きなプラスになりそうだ。

ナレッジスイート株式会社について

ナレッジスイート株式会社は2006年に設立され、SaaS型のSFAやCRMを開発・販売している開発会社である。2017年にマザーズに上場し、2022年4月からは東京証券取引所の市場再編により「グロース市場(高い成長可能性を有する企業向けの市場)」に分類された。

同社がDX事業の主軸に据えるSaaS製品「Knowledge Suite(名刺管理・SFA/CRM統合型SaaSビジネスアプリケーション)」は、「ITreview Grid Award 2022 SPRING」「ITトレンド Good Product」などで数々の賞を受賞するほどユーザーからの評価を得ている。

今や企業にとってかかせない営業支援ツールだが、皆さまご存知の通り、その勢力図たるやSalesforceやOracleなどの大手企業から中小企業までがひしめき合っている激戦市場だ。

同社はその激戦の中にありながら、グロース市場に上場している企業として好調な業績を出している。直近の業績について概要をお伝えすると、2022年9月期第2四半期の連結売上は1580百万円(前期比+36%)、さらにDX事業においては704百万円(前期比+70.5%)と大幅増収となっている。さらに通期計画に対して約50%の達成率で、主力製品のSaaSは下期に向けて売上が積み上がる料金形態となっており好調な推移だ。
参考:IRTV|ナレッジスイート 2022年9月期第1四半期 決算説明

主力製品の評判について

ありとあらゆる特色を持った営業支援ツールがひしめき合う中、同社SaaSの評判について実際はどうなのか?
筆者自身が法人向けIT製品の口コミサイトを覗いてみた。その中で、いくつか人気を裏付けるような口コミをピックアップした。

【SFA/CRM統合型ビジネスSaaS「Knowledge Suite」の口コミを調査】(製品サイトはこちら)

・画面がシンプルで習熟に時間がかからない。
・一画面で共有したい企業や、社員数が少ない企業に適したツール。
・紙ベースでの管理が不要になりスタッフのデスク回りがスッキリした。
・一つの画面で知りたい情報にアクセスできるようになった。

企業の規模的に300人未満の中小企業からの評価が多く見受けられ、はじめて営業支援ツールを使うユーザーにとって「難しくなくて丁度良い」と好評だ。逆にマイナスな意見としては、「毎月のプロジェクト管理数が100以上ある場合は入力が手間」「階層型の組織管理(本部、支部等)ができない」と規模の大きい企業からは物足りないという評価もあった。

しかしそれもそのはずで、この製品を通じて同社が目指すものは「中堅・中小企業向けに営業プロセスの可視化・業務効率化をし、さらには営業活動のDXを推進する」だからだ。経営理念にも「中堅・中小企業のビジネスを変え、日本経済の活性化に貢献する」と掲げていることからも、比較的DXがしやすいと言われている中堅・中小企業をターゲットにし、日本のDX推進を応援していくというスタンスだ。

【執筆者コメント】
本記事の執筆をする上で、ナレッジスイートの新規顧客の約85%の企業がSFA/CRMの導入が初めてというデータ(2021年1月時点)を見たが、コロナ禍を契機に多くの企業がデジタル化・DXに対して危機感を覚え始めたように思える。しかし、とりあえずITツールを入れてみようで終わってしまっている企業も多いのではないかと思う。

実際のところ筆者の周囲では、宝の持ち腐れエピソードをよく聞く。社長の一存でSalesforceを導入したものの、とっつき辛さから現場の営業メンバーが全く使いこなせず、それでいて毎月結構な金額を支払っているというなんとも悲しい話だ。

あれこれできるITツールは良いのだが、本質はそれをユーザーが使いこない、目的を実現できるかにあるということは言うまでもない。今回取り上げたナレッジスイート社のSaaSのように、ユーザーにとって「難しくない」と思われるようなITツールが、日本の中堅・中小企業のDXをグッと推し進めることを期待したい。

参考:株式会社フィスコ「ナレッジスイート」企業調査レポート

執筆者/
リビルダーズ編集部

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