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三井住友海上火災保険、メタバース上にビジネス拠点を開設

MS&ADインシュアランス、グループの三井住友海上火災保険は、メタバース(仮想空間)が普及した未来を見据え「メタバースプロジェクト」を同年3月から始動した。同プロジェクトの下、新規ビジネスを設計・開発するメタバース上の拠点「GDH(グローバル・デジタル・ハブ)メタ」を開設し、今後も中長期的な社会変革を視野に、外部の知見を取り入れた社内外横断プロジェクトを複数展開する計画だ。

ニュース掲載元:「三井住友海上ニュースリリース」
(※外部サイト「三井住友海上」が別ウィンドウで開きます。)

背景
経済や産業構造、社会の在り方が変化する中で、あらゆるリスクに対応する保険会社も新たな領域に挑戦し、イノベーションを積極的に生み出す取り組みが求められています。
同社は、メタバース市場が、コロナ禍を契機に成長するという市場予測を示し、この市場への大きな期待を表明しています。一方で、メタバースの普及により関連技術や利用者の不確実性は増し、損失発生のリスクもあります。メタバースで発生する損失を補償する商品・サービスの提供等を通じて、メタバースのさらなる普及と参加しやすい環境づくりを支援するとしています。

『メタバースプロジェクト』の取組内容
以下3つの取り組みによって、DXを推進していく旨、発表しています。

1. 新規ビジネスを創出するメタバース上の拠点、GDHメタの開設
現在同社は、米国をはじめとする5つのGDHを展開。社内外を問わずにビジネスプレイヤー同士の交流拠点としたり、メタバースを活用した新規事業の立ち上げや、保険ビジネスの展開につなげる狙いだ。現在、6つ目となるGDHメタを開設し、仮想空間を含めた体制構築を進めている。

2.メタバース関連の新商品、サービス開発
先端技術の知見があるPwCコンサルティング合同会社と共同で、メタバースが社会に及ぼす影響力を分析し、サービス提供者、プラットフォーマー、利用者等のリスクの特定や損失を補償する新たな商品・サービスを開発していく。
また、メタバースを活用して、仮想空間と現実世界を横断する新たな保険加入プロセスや、顧客接点等を構想している。

3.バーチャルマーケットへの出展
世界最大級のVRイベント「バーチャルマーケット 2022 Summer」(※開催期間:8/13〜8/28)に出展し、刷新された保険のイメージを国内外のユーザーにアピールしていく狙いだ。

以上3つの取り組みを、同社のコーポレート、損害サービス、営業の部門横断メンバーに加え、グループ会社であるMS&AD インターリスク総研、三井ダイレクト損保、外部企業のPwCコンサルティング等でプロジェクトメンバーを構成し、行っていくとしている。

今後の展開
同社は今後、本プロジェクトをMS&ADグループ内にも展開するとともに、サイバーリスクや宇宙開発等の領域についてもプロジェクトを組成し、新たな商品・サービスの開発に取り組んでいくとしています。

【執筆者コメント】
メタバースは、今後確実に伸びる業界といえます。ガートナージャパンのプレスリリースによると、2026年までに、人々の25%は、仕事、ショッピング、教育、ソーシャルやエンターテイメントなどに、1日1時間以上をメタバースで過ごすようになると言われています。

また世界の組織の30%がメタバースに対応した製品やサービスを持つようになるとも言及しています。そしてコロナ禍を機に市場は2020年の5,000億ドルから2024年に8,000億ドル に成長するとの予測もあります。

メタバースはまだ、人々の日常生活に入り込む前の段階だといえますが、4年後には私たちも毎日メタバース空間にアクセスすることが当たり前になっている可能性が十分にありえるということです。こういったメタバースについての情報にアンテナをはり、理解をしていくことが、変化の激しい現代の生活を生き抜いていく鍵になるのではないでしょうか。

執筆者/
リビルダーズ編集部 甲山 奏子

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