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ロイヤルホールディングスが外食産業DX推進

情報発信元:https://www.royal-holdings.co.jp/release/e80d73af22d5d1f05bbeb1ff77cf63da.pdf
(※外部サイト「ロイヤルホールディングス株式会社 News Release」を別ウィンドウで開きます)

2023年4月27日、ロイヤルホールディングスは「TEN Labo」を錦糸町にオープンします。

ロイヤルホールディングスは、中期経営計画の中で「時間や場所にとらわれない食、ホスピタリティの提供」をビジョンとしています。
「既存事業の収益向上」「戦略的事業の創造」を進めており、DXプロジェクトとしてTEN Laboをオープンさせました。
「天ぷら×web3×AI」で外食産業の問題をDXで解決する店舗としてオープンし、外食産業のあらたなビジネスモデルを開発していきます。

TEN Laboでは、客、従業員、生産者を一体化させたコミュニティを作っていきます。
暗号資産を用いたインセンティブ設計を導入し、参加者のモチベーション向上や、客、従業員、生産者の関係性向上につながります。
具体的な施策は以下の3つです。

【取り組み①】
各席に一つタブレットが用意されており、好きな食材や食べ方、順番を選ぶことができます。会員証NFTを持っていれば、タブレットにかざすことで、会員証を持つ客専用のタブレットとなります。事前にアレルギーや苦手な食材を入力することができるため、より客に合った天ぷらの提供ができます。

また注文する頻度の高いメニューを作成したり、ボトルキープがデジタルでできるようにもなります。

また客は貢献行動によって暗号資産を取得することが可能になるため、インセンティブを得ることができるようになります。
タブレットを通じて客が従業員や生産者とつながることができます。

【取り組み②】
店舗においては各席にあるタブレットで注文ができます。食材の発注、従業員のシフトなどの業務も自動化を行います。
これにより従業員が調理と接客に集中できるようになり、サービス向上につながるとしています。

また将来的には、天ぷらの職人技術を可視化、自動化することを見据えており、AIやロボットによる職人技術の再現を目指しています。
客が従業員を評価するシステムがあり、それに応じて暗号資産が分配されることから、従業員のモチベーション向上及びサービス向上につながります。

【取り組み③】
天ぷらなどに使用する食材については、タブレットで生産者の情報を見ることができます。
生産者に対しても客が評価することができ、それによって生産者にも暗号資産が配布されます。
生産者のモチベーション向上につながり、よりよい食材の提供につながることから、よりよい料理の提供につながる仕組みです。


このように、客、従業員、生産者をつなげることで、美味しい料理と楽しい空間を提供し、店舗の価値向上につなげていきます。

【執筆者コメント】
今回はロイヤルホールディングスの外食産業DX店舗に着目しました。
外食産業の問題点を解決することだけではなく、価値向上のサイクルを回すことができる仕組みであることに意義があると考えます。

外食産業は、景気動向に影響を受けやすい業界であると言われています。
少子高齢化による人口減少と、フードデリバリーサービスの拡充に伴い、市場規模は縮小傾向にあります。それに加えて昨今のコロナ禍の影響を大きく受けた業界でもあります。もともと人材不足などが叫ばれていた業界であることから、人員の確保と新たな価値提供が必要な状況だといえます。

今回ロイヤルホールディングスが出展したTEN Laboにおいては、人材不足の解決とサービスの向上がリンクした施策が打たれています。
席に置かれたタブレットは、店の在庫の状況などを確認したうえで注文を自動で取ることができるため、従業員の作業削減ができます。

またボトルキープなどもデジタル化することで、これまで紙などで管理していたものを整理することができます。
従業員の勤務状況についても管理することができるため、店舗の業務効率化につながります。


ただこのような取り組みは、これまでも様々な企業で実践されました。

・すかいらーくが導入した配膳ロボット https://rebuilders.jp/dx-news-20230307/
・串カツ田中の勤怠管理システム https://rebuilders.jp/dx-news-20221208/
・リクルート社のセルフオーダーシステム https://rebuilders.jp/dx-news-20230315/

当メディアでも多数のサービスや導入事例を紹介してきました。

これらは今ある業務をいかに上手く回すかという、現状を維持・改善するための「守りのDX」であるといえます。
一方で今回のTEN Laboは「攻めのDX」を同時に行っていることが特筆すべきポイントだと考えます。

暗号資産を用いてインセンティブ設計を行うことで、顧客と店舗、従業員、そして生産者を一つのプラットフォームでつなげ、互いに評価することができる仕組みです。これまでも多くの飲食店で顧客が店舗や従業員に対してフィードバックのためのアンケートを答える仕組みが導入されてきましたが、暗号資産を用いることで、タブレット上で完結します。
どういう接客が顧客から評価を得られるのか、どういう食材が良いのか、という分析ができるので、サービスや料理の質向上にすぐに取り掛かることができます。

また顧客の年齢や性別、外食頻度といったパーソナル情報と紐づけることで、マーケティングのための情報になります。多数の情報を仕入れて攻めの施策を行う土台を形成できることが、TEN Laboの大きな特徴です。

今後は上記のように集めた情報をどのように分析するのか、それをどのようなマーケティング施策に落とし込むのかといったことが注目されます。
ロイヤルホールディングスの中期経営計画は2022年から2024年までの3年間です。

ビジョンである「時間や場所にとらわれない食、ホスピタリティの提供」を追求するために今後どのような取り組みをするのか注目です。

執筆者/
リビルダーズ編集部 橋爪 勝万

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