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ビズリーチ 採用担当者が検索したキーワード 2022年トレンドを発表

情報発信元:https://www.bizreach.co.jp/pressroom/pressrelease/2023/0111.html
(別サイト「ビズリーチ プレスリリースを開きます。)

2023年1月15日、株式会社ビズリーチは「2022レジュメ検索トレンド」を発表しました。

株式会社ビズリーチが運営する転職サイト「ビズリーチ」では、即戦力となる人材と企業の採用担当者をつなげるため、採用担当者が人材の職務経歴書を検索することができます。求める人材を検索し、スカウトメッセージを直接送ることができるサービスです。

採用担当者が検索に使用したキーワードの中で、前年比で検索数が上昇したものを集計することで、求められる人材やポジションのトレンドが把握できます。本トレンドでの順位は、検索回数が100回以上のキーワードを対象とし、2021年からの変化率をもとに算出をしています。

2021年のトレンド1位は「DX」でしたが、2022年の順位は以下のようになりました。

1位 開発要件定義

2位 エンタメ

3位 Figma

4位 カーボンニュートラル

5位 キッティング

6位 求人広告

7位 折衝

8位 クラウドエンジニア

9位 COBOL

10位 AWS構築

11位 Python SQL

12位 基板

13位 タレントマネジメント

14位 電池

15位 メディアリレーション

16位 購買調達

17位 プロダクトマーケティング

18位 Flutter

19位 営業提案

20位 リスクマネジメント

上記の通り1位は「開発要件定義」となり、その他IT関連のキーワードが上位にランクインする結果となりました。その他、コロナ禍の影響から「エンタメDX」の需要の高まりにより検索上昇率が高くなりました。その他カーボンニュートラルなど脱炭素、SDGsに関連するキーワードが入る結果となりました。

 ※本調査結果:ビズリーチ調べ

【執筆者コメント】
今回はビズリーチの2022年検索キーワード急上昇ランキングに着目しました。企業の人材採用者がどのような検索をしているかを見ることで、昨今の人材ニーズが把握できるとともに、世の企業のDX推進におけるフェーズも認識できる面白い発表でした。

まず2021年のキーワード上昇率1位が「DX」だったことに対し、2022年が「開発要件定義」となったことについては、世の企業のDX推進が進み始めていることを示していると考えられます。DXを進めなさい、DXを進められる人材を採用しなさいという会社の方針に対し、まずDXというキーワードを以て採用していたフェーズから、DXとは具体的にどういう人材が必要なのかを理解できるまでに変化したと言えます。

「開発要件定義」はシステム開発の上流部分を担当する人材であり、7位の「折衝」というキーワードとも通じる部分があります。ユーザーやベンダーとコミュニケーションをとって開発を推進できる人材のニーズが高まっています。

また8位「クラウドエンジニア」、10位「AWS構築」については、DX推進と関連付けられるキーワードです。11位の「Python SQL」はデータ活用に関連があるキーワードであり、こちらもDXという文脈でテーマになりやすいものです。これまで企業がため込んできたデータをクラウドにより統合、整流化することは、有効なデータ活用の一助となります。データ活用の基盤として必要な機能を持っているクラウドを活用できるエンジニアの需要が高まっていることが分かります。

また20位にランクインした「リスクマネジメント」の関連ワードとして、セキュリティ、個人情報保護、データウェアハウスなどが挙げられています。DXを進める際に何か新しいツールを導入したり、スクラッチでシステムを開発したりする場面が増えることが見込まれる中で、セキュリティの脆弱性を指摘できる人材、インシデントが起こらないようセキュリティルールを設けることができる人材などが求められていると考えられます。

その他IT領域の言葉として、「Figma」「COBOL」「Flutter」「キッティング」などがランクインしています。特にCOBOLについてはレガシーなキーワードですが、金融業界では依然として多く使われる技術であることから、金融業界のITへの関心が高まっていると予想できます。

DX人材という言葉が使われ始めていますが、DXとは手段であり特定の技術の名称ではありません。○○なスキルを持つ人がDX人材である、というような定義は難しいことから、DXを進めるにあたり人材を確保する際は、どういうスキルを持つ人が必要なのか判断することが必要です。

2021年では広く「DX」と検索していた担当者が多い状況でしたが、2022年はより具体的な技術やポジションをピンポイントで検索する担当者が増えており、人事担当者のDXリテラシーが少しずつ高まっていると言えるでしょう。

DX推進に必要となるスキルを持つ人材は、ランキング上位に入っていることからも分かるように取り合いになることが予想されます。このようなランキングを上手く使えば、例えばクラウドエンジニアはどういった給与、働き方、やりがいを求めて転職をするのか、など細かい分析をして他社との採用競争に備えることができます。

またITベンダーにとっても、こうしたランキングを参考に顧客のニーズを読み解くことができます。ビズリーチをはじめとした求人検索エンジンのリリースには今後も注目です。

執筆者/
リビルダーズ編集部 橋爪 勝万

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