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「プログラミング」が習いごとランキング10位に、デジタル化社会の習いごと事情

情報発信元:https://www.uhb.jp/news/single.html?id=30399&page=2
(※外部サイト「UHB北海道文化放送」を別ウィンドウで開きます)

UHB北海道文化放送が、昨今の子供の習いごとに変化が出てきていると報じた。今回取材した体育館にてフットサルをプレイする子供たち。しばらくすると子供たちはフットサルを終え、なんと次はバレーボールを始めたのだ。そう、これは何の習い事かというと「マルチスポーツスクール」というもので、子供たちにさまざまなスポートを体験してもらうことで、自分が何が得意で何をやりたいかを見つけてもらうことを目的として習いごとだ。

さらに、デジタル化社会ならではなのが、「プログラミング」が習いごととして広まってきているということだ。同局によると、子供の2022年習いごとランキングで10位にランクインするなど人気上昇中のプラグラミング。この背景に2020年からプログラミングが小学校の必須科目になったことが影響していると考えられる。

プログラミングというと黒い画面に向かって黙々とキーボードを打っているイメージを持つが、子供向けには言語を習得することが目的ではなく、論理的思考を楽しみながら育てる、といったことが目的となってくる。同局が取材したDスクール北海道では、おしゃれな空間でパソコンを目の前に集中する子供たちの姿があった。

子供たちが向かい合っている画面には、さながらゲーム画面のようなカラフルな3Dグラフィックが映し出されている。ある子供は、カラフルなブロックを自分が作った方程式によってX軸とY軸を操作して並べ、条件分岐のロジックを作ることによって目的とする座標や並び順通りにブロックが配置されるようにしたりして、目的に対してどういう法則を組み立てればそれが実現できるのか、まさしく「プログラミング思考」に意識を向けている。

【執筆者コメント】
子供たちの習いごとランキングにプログラミングが入る時代が来るとは、昭和生まれの私からすると驚きでしかなかった。私の周りでは将来的にグローバル社会になっていくことを想定し、子供の頃から英会話スクールに通わせる家庭が多い印象だったが、プログラミングスクールとは初耳だった。

プログラミングを習うというと、C言語やPythonなどのプログラミング言語の扱いを学ぶ場だという印象を持つ方が多いのではないだろうか。しかしざっくり言ってしまうと、言語というのは20種類近くあるものの、それぞれ「得意な分野が違う」というだけである。アプリ開発であればJavaやRuby等が得意とする分野だし、WebであればHTMLやCSS等だし、といった具合で、本質はそれら言語を扱うときのロジックを考え組みたてる能力にある。

日本の教育は論理的思考うんぬんよりも前に、まず「暗記力」することが求められるので、社会に出てから何の役にも立たない。日本と海外の教育方法の違いを例をもって伝えるとしたら、日本は「6+11=x」でxを求めよ、なのだが海外では「x+y=17」においてxとyの組み合わせを考えさせるといった具合で、海外は解が複数あることを前提に考えさせるのが印象的だ。

2020年から小学校でプログラミングが必修科目となったが、これは世界基準で見たときに早いのか遅いのかが気になったので調査してみた。すると海外は日本よりも数年も早く子供たちの教育にプログラミング教育を選択肢として提供している実情がわかった。以下、プログラミング教育に着手したのが早い順にまとめた。
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1位 ハンガリー 2003年
2位 インド 2005年
3位 韓国 2007年
4位 ロシア 2009年
5位 エストニア 2012年
6位 アメリカ(カルフォルニア州) 2013年
--- イギリス 2013年
7位 フランス 2016年
--- フィンランド 2016年
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(※参考)文部科学省「諸外国におけるプログラミング教育に関する調査研究」

アップルやgoogleがあるアメリカが上位にいなかったのが意外でした。1位のハンガリーでは2003年から6~7歳の初等教育において専門科目として導入し、今では初等・中等教育課程(6~15歳)において必修科目となっています。ハンガリーではITを使って問題解決力を養うことこそが教育上の最も重要な能力であると位置付けており、アルゴリズムを学んだりプログラミングを通じて、問題解決能力や応用力を育てることを重要視しています。

オバマ氏やスティーブ・ジョブズなどの著名人たちもプログラミングを学ぶことの重要性と訴えてきました。日本人の中でもDeNAの南場氏やNTTドコモの栄藤氏などもその考えに共感し実践しています。ぜひ下記の記事も参考になりますのでご一読いただきたいです。
(※参考)tracpath「オバマ大統領「プログラミングを学ぶことは自分のためだけではない。国の将来がかかっているのだ。」」

私自身、これからプログラミングの勉強を改めて始めようと決心した。ぜひこの記事を読んでいる働き盛りの30代の人たちにもプログラミングの勉強を始めていただけたらと思う。

執筆者/
リビルダーズ編集部 木城 秀人

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