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秋田県、初のDXコンサルティング企業を誘致

情報発信元:https://www.pref.akita.lg.jp/pages/archive/67366
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秋田県は、東京都中央区に本社を構える「株式会社ストラテジーテック・コンサルティング」の誘致を決定し、18日に秋田県庁にて協定の締結式を執り行った。秋田県は以前より県外の企業の誘致をしてきたが、DX事業に主軸を置く企業を誘致するのは今回が初めてとなる。

県内学生の新たな雇用創出と、県のDX推進に期待がかかる

今回の誘致に秋田県が期待することは2つ。まずは1つ目は地元学生の雇用創出だ。今回ストラテジーテック・コンサルティング社は秋田県に支部を構えることで、2年後までに30名の県内学生の採用を目指すとしており県内の雇用創出につながるとともに、県外へ優秀な人材が流出してしまうことを防ぐことにもつながる。

また2つ目としては、DXコンサルティングに強みを持つ同社を秋田県に誘致することで、同社のもつナレッジとノウハウを武器に秋田県内の企業のDXやデジタル化推進をサポートしていく。同社が強みとする部分を発揮することで、県内全体のDX推進に大きな期待がかかっている。本メディアで以前にも伝えた通り、秋田県は高齢者の人口比率が全国1位となっており、2020年にはDX推進の遅れが問題視されていた。

DX推進の遅れに危機感を募らせていた秋田県は産学官連携を強め、対策委員会を結成。2021年には都内に引けを取らないデジタル化の進捗を見せた。さらに4ヶ年にわたるDX計画も打ち出して一気に巻き返しを図るためにアクセルを踏んだ。しかし対策委員会のレポートでは、県内のDX・デジタル化の進捗については企業ごとに落差が大きく問題は山積みと言う状況だ。今回の誘致においては、その問題に一石を投じたいという秋田県の想いもみてとれる。

【執筆者コメント】
都内のIT企業が本腰を入れて地方へ進出し、その地で人材の採用やビジネスを拡大するという動きは今では珍しくはなくなってきた。今回、ストラテジーテック・コンサルティング社の代表の発言の中に、秋田県にはIT人材として活躍できる優秀な学生がいる、という発言からも秋田県内の企業が全国もしくは世界に向けてITサービスを発信する時代が近い将来来るのかもしれないと予感させる。

数年前から多く目にするトピックとしては、福岡を中心とした休診への名だたる企業の進出がある。福岡といえば今やIT人材やクリエイティブ人材を多く輩出していることで有名で、福岡発の企業としては株式会社ヌーラボや株式会社レベルファイブなどが知名度を上げている。

しかしこれは特別福岡県に優秀な人材がいたという偶然ではなく、福岡県が主体となってIT人材の教育環境作りに前のめりに取り組んできた歴史がある。1998年、当時IT人材の教育において頭角をあらわしていたデジタルハリウッドを福岡県に誘致したのだ。それがIT人材の輩出を大きく加速させた。

また、AIPカフェのように若い世代がWebを通じて集まり、デザインやプログラミングを学ぶ場が生まれていったことも大きい。こういった活動を意識的に始めた人材が福岡県にいたことで、自然と人材が集まる流れができていった。デジタルハリウッド福岡校が設立された当時は求人件数より卒業生の方が多かったが、2006年ごとには求人数の方が上回るほどになった。

東日本大震災を機に、東京から福岡県へ移転する企業も出てきた。デジタル社会になったことで、東京にいなくもて鮮度の高い情報はキャッチできるし、東京の仕事を地方で受けることも可能だということに企業側も気付き始めたのだ。

この福岡県の事例があるので、秋田県が第二の福岡県になれる可能性は十分になると筆者は考えている。今後も秋田県のDX推進には注目していきた。

執筆者/
リビルダーズ編集部 木城 秀人

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