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ピアノ指導をきっかけとした音楽分野のDX活用、NTT東日本とピティナが協業を開始

ニュース発信元:「音楽教育業界におけるDXを活用した音楽学習指導実現に向けた取り組み」
(※外部サイト「一般社団法人 全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)」を別ウィンドウで開きます)

現在、国内の音楽教育業界では指導者不足や感染症の影響から「今までのような指導方法が続けられない」「理想的な指導が受けられない」といった課題が発生し、その対応に迫られている。

このような背景から、NTT東日本のデータ解析やDXに関するノウハウとPTNA(ピティナ)の音楽教材の開発やピアノ指導者支援に関するノウハウを掛け合わせることで、業界が直面する課題解決に取り組むこととなった。

取り組みの概要

「音楽×DXの力で音楽をもっと身近にし、人と音楽が繋がるような豊かな社会を実現する」をVISIONに掲げ、さらに以下の3段階に分けてこの取り組みは実施される。

【STEP1】ピアノ指導者と生徒に向けてDXを活用したピアノ学習の基礎環境を構築する

AI演奏採点システムやデータ分析による指導者への指導支援の検証などを通して、指導の容易化や指導効果の向上を図る。さらに、生徒が自己学習できる仕組みの提供によって、現代に合う形での学習環境の構築を進める。

【STEP2】STEP1で検証した内容を、国内外問わずピアノ業界全体へ展開する

生涯学習(※)としてのピアノサービスや、海外講師のオンラインレッスンなど、国内外を問わず音楽業界全体の活性化を目指す。

(※)生涯教育とは・・・

「生涯学習」とは,一般には人々が生涯に行うあらゆる学習,すなわち,学校教育,家庭教育,社会教育,文化活動,スポーツ活動,レクリエーション活動,ボランティア活動,企業内教育,趣味など様々な場や機会において行う学習の意味で用いられます。

引用元:平成30年度文部科学白書|第3章 生涯学習社会の実現

【STEP3】他楽器へもサービス展開をし、音楽教育業界全体の活性化に繋げる

遠隔オーケストラや音楽による地方創生などを通し、音楽をより身近なものにすることで、人と音楽が繋がるような豊かな社会を実現する。

【執筆者コメント】
今回は音楽領域で取り組まれているDXについてご紹介いたしました。

筆者自身も幼少期よりピアノを通じて音楽教育を受け、学生時代は吹奏楽に没頭していました。実際に、指導者不足などの音楽教育業界における課題を、身をもって感じていたため、今回の協業はこれらを解決する一手になると実感しています。

コロナ禍を経て、音楽ライブなど対面で実施されていた音楽活動はよりハードルが高いものとなってしまいました。そのため、家の中にいても誰かと同時に音楽をするにはどのような方法があるのか、様々な形が模索されてきました。現在では、遠く離れた人とリアルタイムに音楽セッションをするために、ネットワークによる「音の遅れ」を最小限にする技術の開発(※1)や、現在普及が進む次世代通信規格5Gの活用によって、より実現の可能性が高まっています。

また、2020年には米津玄師さんがバトルロイヤルゲーム『FORTNITE(フォートナイト)』内で音楽イベントが開催(※2)されるなど、メタバースにおいて音楽活動をするというような選択肢も出てきています。

今後、音楽業界の新しい可能性をさらに引き出すためには、人・場所にとらわれないメタバースのような技術を、抵抗なく取り入れていけるかどうかがカギとなりそうです。

(参考)
(※1)YAMAHA|SYNCROOM
(※2)NIKKEI STYLE|米津玄師がFORTNITEに登場 ゲーム空間でライブを体感

執筆者/
リビルダーズ編集部  城間 礼音

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