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完全無人タクシーが解禁!米サンフランシスコ全域にて

情報発信元:https://news.yahoo.co.jp/articles/6a78175dab4bbeefd49c3e41acdd593d65154ebb
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カリフォルニア州当局は、グーグルの子会社であるウェイモと、ゼネラル・モーターズ(GM)の子会社であるクルーズの2社に完全無人タクシーの24時間営業をサンフランシスコで行うことを認可しました。
ウェイモのテケドラ・マワカナ共同CEOはこの認可がサンフランシスコでの商業運行の真のスタートと宣言しました。数週間以内に有料の無人タクシーサービスを市内全域で開始する計画です。

 既に昨年6月から、クルーズは深夜から早朝にかけてのタクシーサービスを提供していましたが、この新しい認可により、24時間、市内全域でサービスを提供できるようになります。

※サンフランシスコの特性: サンフランシスコは坂が多く、霧などの悪天候が頻繁にあるため、自動運転車の「実験場」として適しています。現在、ウェイモとクルーズはサンフランシスコで合計500台以上の自動運転車を保有しています。

オレゴン大学のニコ・ラルコ教授は、この認可は自動運転の拡大の扉を開く重要な決定であり、全米の議論に影響を与えると述べており、この認可は確かに自動運転車の普及に向けた大きな一歩ですが、安全性に関する懸念や課題もまだ解決されていない点が強調されています。


【執筆者コメント】


2020年東京オリンピック・パラリンピック開催期間中にトヨタ自動車が提供した(管理者としてスタッフが乗り込んでいるものの)原則無人の次世代モビリティ「e-Palette」が巡回運行しており、技術の大きな進歩に感銘を受けました。

その驚きから約2年経ち、ついに米サンフランシスコでは世界に先駆けて市内全域での完全無人タクシーの運用が解禁されました。
公道を無人車両が走るためには、越えなければならない様々な課題が挙げられています。今回は、その中でも「自動運転車の事故責任」の現状について調査してみました。

自動運転レベル、各レベルの定義とは

まず、自動運転技術と一言で言ってもその技術レベルは、0~5レベル(6段階)に分けられており、アメリカの「自動車技術会」(SAE)が示した基準が現在の世界基準として用いられています。

ざっくりとしたレベルごとのイメージとしては、自動運転レベル2では「ハンズオフ(手の解放)」、自動運転レベル3では「アイズオフ(目の解放)」、自動運転レベル4以上では「ブレインオフ(脳の解放)」が一定条件化で可能になっています。

次世代モビリティ「e-Palette」や米サンフランシスコの無人タクシーは、レベル4の「高度運転自動化」に相当します。

レベル名称主体走行領域
0運転自動化なし
1運転支援限定的
2部分運転自動化限定的
3条件付き運転自動化限定的
4高度運転自動化限定的
5完全運転自動化限定なし
自動運転技術のレベル分け表 (※引用元:自動運転のレベル分けについて|国土交通省)

事故発生時の責任は

自動運転で起きた事故の責任は自動運転のレベルによって異なり、自動運転レベル1とレベル2ではドライバーに責任があるとされています。
自動運転レベル3とレベル4でもドライバーに責任があることは変わりませんが、システムの不具合などを原因とする事故の場合は、保険会社が自動車メーカーなどに対して求償することが適当であると結論付けられているようです。

自動運転レベル5における事故の責任主体に関しては、今後議論の必要があるとされています。

※自動運転での事故事例
2020東京オリンピック・パラリンピックの選手村で走行していた「e-Palette」が歩行者に接触しています。(2021年8月23日発生)
こちらの事故に関しては、自動運転レベル4で運転中の「e-Palette」が歩行者を検知して自動停止した際に、同乗していた運転オペレーターが手動で再発進させ、歩行者と接触してしまったという事故です。
事故のタイミングではオペレーターが手動で操作していた為、自動運転レベル2相当と見なされ、オペレータの過失が問われています。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20220106-OYT1T50000/
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また、自動運転車が普及したあとは、多種多様なシステムを盛り込んだ自動運転車が国境を越えてさまざまな国で走行することになります。より細かで多岐にわたる定義付けや分類を国際的なルールづくりも必須となります。そのほかの課題としては、自動運転システムのハッキング対策や、走行の安全性を高めるためのリアルタイム情報共有(急な道路工事や交通事故、障害物などの情報)を行うことやそのための新たな基地局やネットワークの整備も必要となると考えられます。

今回改めて調査した結果、国内で同様の無人タクシーを運用するにはまだ検討する必要のある課題が山積しているようですが、今後の議論の深まりに期待したいです。国内でも自動運転車や無人バス・タクシーの実証実験が日々盛んに行われています。自動運転車が公道を走る日も近いのではないでしょうか。

執筆者/
リビルダーズ編集部 丹治 秀人

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