情報発信元:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC193XV0Z10C23A4000000/
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ファミリーマートとドン・キホーテの運営会社であるパン・パシフィックインターナショナルホールディングスと伊藤忠商事株式会社が提携し、購買履歴があり重複もしていない3000万件超といった国内最大級の顧客データを活用する事が決定した。
匿名化した上で消費行動を分析し、クーポンなどの販促活動を的確に打てるようにしていくのだが、分析に使うのは、性別や年代、購入した商品や場所などの購買情報となる。
ファミリーマートとドン・キホーテそれぞれのスマホアプリなどを通じ、端末ごとにひも付いた形で顧客の属性や購買履歴を保有しており、
伊藤忠株式会社とファミリーマート、NTTドコモ、サイバーエージェントが共同で設立した『株式会社データ・ワン』に匿名化した購買情報を有償で提供・集約している。匿名化する際にはスマートフォンの端末ごとに割り振られる識別情報の「広告ID」と呼ばれる仕組みを使用し、データ・ワンが分析し効果的な広告配信や販促活動につなげる。
例えば、ファミリーマートの購買履歴などからビール好きと分析できる消費者のスマホに、ドンキの割引きクーポンを配信する。
また、視聴するYoutubeやSNSビールの新商品の広告を配信するといった活用が可能だ。
データ・ワンは分析結果を使って広告主と交渉し、広告料で収益化をしており、ファミリーマートやドン・キホーテとしても販促や広告の精度が高まれば店舗の売り上げの増加が期待できる。
伊藤忠商事株式会社としても今後は、他のドラッグストアやスーパーにも連携を呼び掛け、データ経済圏を広げる考えだ。プライバシー規制でサイトの閲覧履歴によるデータ収集が難しくなっているが新たなデータ確保に向けて、企業を超えた連携が本格化していく見通しだ。
【執筆者コメント】
データ活用の中でも、ファミリーマートとドン・キホーテのデータを共同で使用し国内最大級規模の3000万件超のデータを活用できるという事例は非常に大きなインパクトがあると感じる。
運営会社が同じとは言え、個人情報の取り扱いの難しさなどもあり、共同で利用するということは実現できるのかという疑いの目で見てしまっていた。
しかし今回の事例で、伊藤忠商事株式会社を始め、共同出資で設立されたデータワン社と連携することで、個人名との結びつかない広告IDという仕組みの活用が可能となり、実現を可能としていた。性別や年代、購入した商品や場所などの購買情報を分析に使うことで、消費者としても自分の関心や好みに合った広告を多く受け取れるメリットが大きいと感じた。
ファミリーマートやドン・キホーテとしても販促や広告の精度が高まれば店舗の売り上げの増加につながり、データワン社としても売上が上がるという好循環につながると感じた。
記事の中にもあったが、アメリカ企業ではアマゾン社やウォルマート社では膨大な顧客データを持っており、単独で精度の高い販促や広告が出来てしまうが、日本企業では現状難しいからこそ企業間の連携をしていくという点で、他の企業にも普及していくと感じた。
データワン社も伊藤忠商事、ファミリーマート、NTTドコモ、サイバーエージェントの4社の協力で生まれたように、企業間の連携でDXや経済活性化をしていくことが日本企業に取っては大事なのかと感じた。
個人情報の規制が強まっているが、データ活用の仕方が進まないとDXも進まないと思うので、企業のセキュリティ強化や精度の高い広告を目指していくことに期待している。
執筆者/
リビルダーズ編集部 國本 樹紀