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東和ハイシステムと日立製作所が音声で歯科カルテを入力する歯科DXを実現

情報発信元:https://www.towa-hi-sys.co.jp/wp-content/uploads/2023/02/b9e7bdd95d2b095f119c0bf503033ab5.pdf
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歯科統合電子カルテシステムを開発する東和ハイシステムと日立製作所が協業し、AIを活用して音声で入力できるシステムを開発し、3月上旬に発売する。そのシステム名は「Hi Dental Spirit AI-Voice」。

歯科医がスマートグラスを装着し、手での入力のたびに手袋の脱着と手指消毒を繰り返すことなく、衛生的に電子カルテを作成できるといった業務効率化の実現を目指している。

東和ハイシステムは歯科医院向けの電子カルテシステムを全国3100の医院に導入している実績があり、音声認識技術や音声処理ソフトは日立製作所が提供している。

歯科向けの音声電子カルテシステムは業界初の事例となっている。利用方法としては、例えば、「全顎(ぜんがく)」などと発声して入力する部位を選択し、その後約20項目の略称リストから病名を選び、さらに「精密検査」など処置内容の選択へと進むようになっている。「オッケー」と発声することでパソコン手入力の操作も実現可能だ。

歯の部位、病名、処置、薬品など約22万の用語やコメントをカバーする。「修正」などと発声すれば誤った書き込み部分を直せるほか、過去の診療データも呼び出すことができる。患者との会話を音声データとして残すこともできる。

費用としては月額6万〜8万円程度を想定しており、端末やスマートグラスなど機材を含めリース方式での提供が中心になる予定だ。今後は、歯科医院の現場データを安全に分析・活用できるクラウドサービスとして発展させていく。

【執筆者コメント】
歯科DXと題して今回の取り組みの事例が発表されており、注目した。歯科医が診療中に手袋を外さず音声だけで電子カルテを作成・操作することができ、歯科医の業務効率化につながり、短縮した時間を患者とのコミュニケーションに費やすことができるというDXが実現されている。

今回も両企業の強みを活かして実現した事例だ。2022年の2月から協業開始して、約1年間かけて実現した「Hi Dental Spirit AIVoice」だが、業界初の電子カルテシステムを生み出すことに成功している。

これまで2人で行っていた歯周病検査が、1人で検査をしながら音声で入力された結果をスマートグラスでその場で確認出来るという点が業務効率化に繋がっている。

また衛生面でも手での入力のたびに手袋の脱着と手指消毒を繰り返す必要があった手間も省くことができる点は現場の意見を組み取ったシステムだと感じる。

実際に、歯科医院の現場での実証を積み重ねて得たナレッジを生かしてサービス化ができたということでDXの実現にはシステムの質だけではなく、現場に足を運び生の声を聞く事で実現できるのだと感じた。

これまで執筆者自身も葬儀DXや業界初のサービスなどのDX事例を見てきたが、どれも現場に寄り添った形でシステムの力を活用しているように感じ取れる。

リースという形で費用も10万円を下回るという設定も、サービスの広がりとしても早い速度で普及していくのではないかと感じる。今後の歯科DXの先駆けとして注目していきたい。

執筆者/
リビルダーズ編集部 國本 樹紀

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