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オートバックスセブン、富士通との連結子会社を完全子会社化へ、DX推進に向けて

情報発信元:https://www.advertimes.com/20230119/article409290/
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18日、株式会社オートバックスセブンは、富士通との連結子会社だったABシステムソリューションズを完全子会社化することを発表しました。

今回、ABシステムソリューションズの株式85%を富士通から取得するとのこと。今後は、オートバックスグループのDX推進を担う部門として位置づけられるようです。

ABシステムソリューションズは、2006年にはオートバックスセブンの完全子会社になりましたが、その後2009年に富士通が出資し、同社の連結子会社となっていました。

これまでは、オートバックス店舗の物流や会計などのシステム開発から運用までを行っていましたが、本取引後、社名を「株式会社オートバックスデジタルイニシアチブ」へと変更し、DX戦略子会社としてサービス提供およびデジタル人材の育成を行っていくとのことです。

【執筆者コメント】
今回はカー用品の卸売り事業を行うオートバックスセブンについて取り上げました。システム子会社をめぐる動きは最近激しさを増している、というような話題があります。

オートバックスセブン以外にも、SUBARUやデンソーがシステム子会社を吸収合併したり、カインズ、ビックカメラはIT技術者を雇用するためにシステム子会社を新たに設立したり、といった風です。これらの動きから、これまでのITに対する考えが大きく変わり、ITこそ企業経営の中心であるという考え方が広く定着していっているように思えます。

参考資料:
DXで変化したIT子会社への期待--吸収合併などさまざま - ZDNET Japan
野村総合研究所「情報・デジタル子会社における今後の方向性と課題」

現在、自動車業界は100年に1度の変革期を迎えていると言われており、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電気自動車)が大きなトレンドとなっています。

同社はCASE時代を見据え、変化する社会のニーズに素早く対応できる体制を整えるために、2019年より「5ヵ年ローリングプラン」を策定、実践しています。こちらは、5年間に縛られることなく、時流に合わせて継続的に5年後の方向性および戦略の見直しを実施するものになります。

そんな中、ICTプラットフォーム推進部やDX戦略部を設立し、DXに取り組んできた同社。DXを活用したプラットフォームビジネスに力を入れてきました。“AUTOBACS DX Platform”を基盤として、個人間取引の中古車マーケットの仕組み構築や、自治体などの社会課題の解決・緩和に繋がるソリューション提案を行ってきたとのこと。

これらの取り組みで同社はクラウドネイティブ開発を実践。スモール&クイックスタートで、開発時間の大幅短縮などにもつながり、プロジェクト全体のスピード感が大きく改善されたようです。

例えば、包括的連携協定を結んでいる大分県にて、洪水の多い支川にまず10台のカメラを設置し効果検証を行っています。効果があれば数を増やし、効果が見合わない場合にも撤退のハードルはそこまで高くなく、小さな投資でまずは効果を顧客に見せることが可能となったとのこと。

これまで、上記のようなDX推進を担ってきたIT戦略・DX戦略担当、IT戦略部、DX戦略部を廃止して、新たなオートバックスDXをスタートさせるオートバックスデジタルイニシアチブ。

既存のプロセスやサービスありきではなく、破壊と創造を恐れない姿勢がDXにおいて最も重要であると同社DX担当者が語るように、新たな挑戦を続けるオートバックスセブンに今後も目が離せません。

参考資料:オートバックスセブンがクラウドネイティブ開発で実現した自動車業界を超えるDX | IBM Smarter Business

執筆者/
リビルダーズ編集部 甲山 奏子

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