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10日、IDC Japan株式会社は、国内企業のDevOps実践状況に関するレポート結果を発表をしました。
同調査は、DevOpsに理解のある国内企業を対象に、DevOpsの実践状況、開発手法、開発環境、採用技術など、ソフトウェア開発および運用についてのユーザー動向を調査したものになります。
調査結果として、同社は2017年から国内企業のDevOps実践状況について調査をしていますが、DevOpsの実践率は年々上昇しているとのことで、2022年では59%の実践率となりました。
さらに、DevOps実践を計画、あるいは評価、検討していると回答した企業は21%にのぼり、今後もDevOpsの取り組みを継続させる企業が増加する見込みであるとしています。
また、こちらの調査では、調査対象企業のDX進捗段階を4つに分け、段階別にDevOps実践状況を分析しています。なお、進捗段階の区別は、DX定着化段階、DX導入段階、DX計画段階、DX未着手段階、としています。
DX定着化段階の企業では、DevOpsの実践率が79%に上昇、DX導入段階の企業でも63%であり、DX進捗が進んでいる企業ほどDevOps実践率が高い傾向が見られたとのことで、DX推進にとってDevOps実践が重要な取り組みになっていると分かります。
IDCのソフトウェア&サービス、リサーチマネージャーの木村氏は、
「国内企業におけるDevOpsの実践率は上昇し続けているが、DevOpsを実践する企業の増加に比例してビジネス上の効果が得られている企業が増えているわけではない。DevOpsの取り組みをビジネス成果につなげている企業は、DevOpsの実践を継続すると共に組織内でその実践規模を拡大、浸透させている」
引用元:国内企業のDevOps/開発プラットフォーム ユーザー動向に関する最新の調査結果を発表
と述べています。
【執筆者コメント】
今回は、DevOpsに関するユーザー動向調査について取り上げました。そもそも、DevOpsについて、なんとなくDXと関係する言葉だとは思うけれど、具体的には分からないという印象を持たれている方も多いと思います。
今回調査発表したIDCでは、DevOpsを以下のように定義しています。
「企業がスピード、生産性、品質などのビジネス能力を高めることを目標とし、ビジネスを支えるソフトウェアの開発から運用までのプロセスを通して、開発やテスト、運用、ビジネスなどに関わる複数の組織や担当者が共同で取り組むこと」
引用元:国内企業のDevOps/開発プラットフォーム ユーザー動向に関する最新の調査結果を発表
私たちは、よく開発と運用は対になっているような印象を持ちやすいのではないでしょうか。しかし、DevOpsの考え方は、開発、テスト、運用などのチームがそれぞれ協力して円滑にそしてスピーディーに開発を進めていこうというものなのです。
またDXの目的は、ビジネスの激しい変化に対応できる企業になり、業務そのものを変革して競争のなかで優位に立つことです。この二つの内容を照らし合わせると、DXのようにスピードを保ちながらビジネスの変革に対応するには、DevOpsの考え方は必要なのだろうと理解ができますね。
少し前になりますが、2021年、三越伊勢丹がDevOpsを実践している事例がありました。同社は、アプリ、インフラ、運用と3チームで別々に推進を行っていましたが、コミュニケーションコストがかかる、スピードが上がらないなどの不満を抱えていました。そこで、開発チームが自律的に基盤を構築したり運用設計をしたりするように組織を変革、つまりDevOpsチームをつくりました。
その結果、オンライン接客アプリや靴の提案をする「YourFIT」などのサービスにおいて、システムの初期開発を3,4か月で行うという脅威の開発スピードをみせたのです。従来だと、そんなシステム開発も1年はかかっていたと担当者は話していますので、DevOpsチームのおかげでかなりスピードが上がったことが分かります。
このように、DXにおけるスピードの担保の部分で非常に重要な役割をもつDevOps。今回の調査で、国内企業でもその実践が増えてきているとわかりました。今後、DevOpsのさらなる浸透に期待したいです。
執筆者/
リビルダーズ編集部 甲山 奏子