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キリングループのICTリテラシー向上、ポイントは「新たなカルチャー醸成」

情報発信元:https://www.discoveries.co.jp/case/kbs/
(別サイト「ディスカバリーズ株式会社 事例ページ」を別ウィンドゥを開きます。)

ディスカバリーズ株式会社は、キリングループ全体のICTリテラシー向上を支援しています。

キリングループは、デジタルテクノロジーを活用することによってビジネスの変革を推進し、生産性を向上することを掲げています。そのためにICTリテラシー向上に取り組んでいますが、現場では電話文化が残るなど、アナログな仕事をしている状況があります。従業員約3万人のITスキルやリテラシーの向上が必要な状況でした。

まず行った取り組みが、ポータルサイトの作成とICTリテラシーを向上させるための専任担当者300名の選出です。ただコンテンツを強化し人員を増やしつつ、情報発信を強化したにもかかわらず、各種ツールの活用は進みませんでした。業務が既存方法で固まっていることから、スムーズな移行が難しい状況でした。

そこでディスカバリーズ社はこの状況を変えるため、ITサービス活用ポータルを新設する支援をしました。既存のポータル上ではユーザーが使いにくい仕様になっているため、新たにポータルを作成し、ユーザー視点を徹底させました。ユーザーがアクセスしやすく、分かりやすい、使いやすいポータルサイトに変更することに成功しています。

さらに同社は「デジタルアカデミー」というサービスをもとに、従業員を対象としたITツールの教育コンテンツやオンライン教材を準備し、ポータルサイトを通してコンテンツの周知を行いました。ポータルサイトの利用数を増加させるために、興味喚起のためのプロモーション動画の政策まで支援を行いました。

利用数を増やすにはプル型ではなくプッシュ型の呼び込みを行う必要があったため、親しみのあるキャラクターを設定し、ストーリー仕立てでインパクトのある動画を作成することで、サイトへの流入数増加につながりました。

一方でICTリテラシー向上を担う担当者が通常業務との両立ができるよう、管理職や各組織を巻き込むことでプロジェクトを理解してもらうよう働きかけるプランを提供しています。担当者への適切なサポートも行うことで、モチベーションを維持して担当者が役割を担えるようにしました。

これらの取り組みによってキリングループ全体のICTリテラシーが向上し、中期経営計画達成に向けて順調に動いています。仕組みや具体的なサポートとともに、風土づくりまで支える支援をこれからも継続するとのことです。

【執筆者コメント】
今回はディスカバリーズ株式会社による、キリングループへの支援事例を取り上げました。本事例で着目すべきポイントは、「カルチャーの醸成」です。

昨今の事業会社ではDXという言葉をキーワードとして、デジタル活用を推進しています。業務フローを変えるような社内のDXもあれば、顧客サービスを改善し新たな価値提供ができるようにする対外的なDXもあります。そのために、ITへの理解を企業内で高める意味合いで「DX人材」「デジタル人材」「IT人材」を育成する方針をとる企業も多く存在します。またDXやデジタル化を行う専門部隊として、「DX推進部」「デジタル担当」等のチームや役職を新設することもあるでしょう。

DX担当者は、世の中にある多数のパッケージやプロダクト、ソリューションを検討し、どれを社内に導入するのが良いかを選定していきます。ただ良いものを選定しても、企業内部で活用が進まなければ意味がありません。

今回取り上げたディスカバリーズ社の支援形態は、DX担当者に対して非常に優しいものであるといえます。企業の中で「旧来のやり慣れた業務の方が良い」「新しいものは面倒」といった価値観があるのは当たり前で、DXを受け入れる文化を醸成するプログラムがあるのは担当者に寄り添ったサービスだと言えます。

経済産業省が発表した、「デジタルトランスフォーメーションに向けた課題の検討」資料によれば、IT投資に関して日本の企業は総じて守りのIT投資が多い一方で、アメリカは攻めのIT投資が多いことがDXが進まない原因の参考の1つとしてあげられています。キリングループの事例にあるように、企業が新たなことを推進していくためには、企業の文化を変革させるための投資も必要です。新たな技術や製品、サービス利用への攻めの投資の中に、「新たな文化への投資」という観点も今後重要になってくると考えます。

執筆者/
リビルダーズ編集部 橋爪 勝万

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