DX時事ニュース

串カツ田中HDが飲食店舗運営のDXを加速するV-Manageをリリース

情報発信元:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC183I50Y2A111C2000000/
(※外部サイト「日本経済新聞」を別ウィンドウで開きます)

BtoB(企業間電子商取引)プラットフォーム事業を運営する株式会社インフォマートと、串カツ田中ホールディングスによる共同出資会社のRestartz(リスターツ)が飲食店の店舗運営を管理するアプリ「V-Manage(ブイマネージ)」をリリースした。

店舗運営の見える化ではなく、アルバイトだけで店舗を運営できるような体制を目指しているとのこと。開店準備から閉店後までの作業のリスト化、実施状況の記録、仕事の進捗具合の管理、本部からの指示も受け取るなどの機能が備わっている。

アルバイトだけで店舗を運営できるという観点では、仮想マネジャーの役割をアプリが担う形となる。アルバイトは、いつ、どの作業を行うべきかアプリで確認でき、実施した作業の入力や写真を送付して報告する。

また、遠隔地からでもタブレットで作業の実施状況を確認できるため、必ずしも店長などが店内にいる必要はない。試験的にアプリを導入した店舗では、導入1ヶ月で社員が指示を出さなくてもアルバイトが自分の作業をタブレットで確認し、2ヵ月後には3店舗で試験的にアルバイトだけでシフトを回し問題なく運営できたとのことだ。

Restartz(リスターツ)は23年中に70社、1100店舗への導入を目指しており、DXによる業務改善に加え、店長や社員の役割や働き方の見直しなども期待している。

【執筆者コメント】
株式会社インフォマートは国内最大級のフード業界向けプラットフォームを運営しており、串カツ田中HDとの合同会社を設立して今回のV-Manageというアプリをリリースした。

興味を惹かれたのは、店長、正社員が不在な店舗運営を目指しているという点だ。記事にもあったが、外食店の仕事は、賃金水準の割に比較的労働時間が長く、業務も煩雑であるという点と串カツ田中の場合は、1年間で約150人の正社員を採用しており、採用活動に約1億円のコストがかかっているとの現状がある。

執筆者自身も学生時代は居酒屋でアルバイトをしていたが、営業終了後2時間くらい事務作業などをしているといった働き方が見られていた。今回のV-Manageでは、アプリで各店舗運営の状況把握、緊急指示や改善指導から紙で管理していたタスクやチェック事項をデジタル化しているため実施漏れの改善が見込める。

店長の仕事は数値管理・人材の採用・教育・マネジメントなど多く、人頼みになっていたと串カツ田中HD代表の坂本氏も述べている。コロナウイルスの影響で売上が落ちた中で、DXによって販管費を抑えて社員の待遇や給与に還元していく仕組みができれば飲食業界のイメージ改善にも繋がるだろう。

執筆者/
リビルダーズ編集部 國本 樹紀

-DX時事ニュース