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さくらCS ホールディングス株式会社がAIを活用した介護記録アプリで負担軽減

情報発信元:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFC059ID0V00C22A9000000/
(※外部サイト「日本経済新聞」を別ウィンドウで開きます)

介護サービス事業を手掛ける、株式会社さくらコミュニティサービスが、介護事業所向けアプリ「Care Viewer(ケアビューアー)」の提供を拡大している。

Care Viewerは、被介護者の健康状態の記録が簡略化され、血圧測定器などの機器にも接続が可能となっている。

コスト面でもサブスクリプション制とし、小規模の事業者でも導入できる仕組みとなっている。

他にも、外部チャットツールとの連携やオンラインでの請求書送付、AIも導入し集めた介護データを読み込み、必要なケアを事前に推測するサービス開発など機能が充実している。

例えば、ベッドセンサー「LASHIC-sleep」というシステムと連携し寝返りの回数や方向、心拍数などの情報からアラート機能を設定しスタッフがすぐに対応できるようになったというケースがある。

2019年から提供を始めてから、これまでに全国の1100以上の介護事業所に導入されている。今後は2023年の12月末までに1万施設にCare Viewerの導入を目指している。

【執筆者コメント】
内閣府の調査で、高齢化率が2010年20.5%から2040年には34.6%になると予測されているが、少子高齢化が進む日本では介護という観点は非常に重要な項目であると考える。記事にもあるが厚生労働省によると、2025年に必要な介護人材が253万人に対して約38万人が不足見込みであるという状況からも、介護人材を増やすという解決策だけでは難しく、まさにDXの必要性が高まる業界ではないかと感じる。

Care Viewerでは、ペーパーレスを実現したという事にとどまらず、現場の課題を反映させるために様々なサービスとタッグを組んで実現させた事がDXであると言えるのではないか。中でも従来はケアマネジャーの資格を持つ人が時間をかけて作成していた所を、AIが被介護者の症状やこれまでの介護記録から最適なケアプランを立てるサービスの開発を進めているという施策についてはDXの定義にあるビジネスプロセスや業務の変革という部分に当たるのだと実感した。

介護という仕事においては必ず人の力がないと成り立たないからこそ、働く人の生産性を改善していく必要がある。公益財団法人介護労働安定センターの「令和2年度 介護労働実態調査結果」(全国調査対象事業所 17,544 事業所のうち、有効回答数 9,244 事業所 ※回収率 52.7%)によると、ICT機器の導入や利用についての課題の1位が「導入コストが高い」(54.8%)、2位が「技術的に使いこなせるかが不安である」という結果だった。

Care Viewerではサブスクリプション制によりコスト面の対策もなされている。今後は利用者が使いやすいUIのサービスが増えていくことも期待できる。業界の未来を明るくする力がDXにも込められていると感じた。

執筆者/
リビルダーズ編集部 國本 樹紀

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