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現場社員から聞こえてくる「DX疲れ」の声

DX推進に精力的に取り組む企業が増えている一方で、現場の社員からは「DX疲れ」の声も多く上がってきていると東洋経済が報じました。
https://toyokeizai.net/articles/-/582786
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DXへの取り組みがどちらかというと社内向けのパフォーマンスや、社外へのPRになってしまっているように見える企業もありました。こうした企業は、「多様な研修コースを用意しました」「コースの履修率は何%です」、といった数値目標ばかりにこだわるあまり、本来の業務プロセスの変革などに取り組めていなかったり、後回しにされていたりします。これでは、社員から「何のためのDXなんだ」「ああ、俺たちはパフォーマンスの道具にされているのね」と思われてしまうのも無理はありません。

引用元:東洋経済

【執筆者コメント】

今回取り上げる記事は「DX推進」に取り組むことが手段ではなく目的にすり替わっていないか?と警鐘を鳴らす内容です。

これはDX推進の失敗事例としてよくあるケースらしく、現場社員が腹落ちしないまま強制的に受けさせられる研修や、企業が既存業務を手離さない、DX人材の育成自体が目的化しているなどが3大要因とのことです。

DXは企業の見栄えを良くするための道具ではない

筆者の目に留まったのは、記事内で触れていた「DXが社内外に対するパフォーマンス手段になっている」という点です。

実際に知人から聞いた話ですが、DX銘柄に選ばれたいからという理由で経営層が「DX施策をやれ」「DX推進をしていることを社外に広告を出してPRしろ」と社員に命を下し、結果的に空洞化したDX推進に陥っていまっているケースを聞いたことがあります。

当然、現場の社員は上に怒られたくないがために、必死にアリバイを作るために数字集めの仕事をして「進捗は◯◯%完了しました」「今期の行動目標を達成しました」とプレゼンすることになる。

DXの本質はビジネス変革を起こすことなのに、その目的が何も達成されずに社内の空気だけ悪くなるというオチなのは想像がしやすいと思います。

社員が企業の理念やミッションに共感しているか

DX成功企業から学べる成功要因の1つに、企業の理念やミッション・ビジョンに社員がどれくらい共感できているか、という点がありますが、実はこれが結構重要ではないかと筆者は感じています。

そう感じたエピソードがあり、 ここでDXに成功した日本企業の事例を1つご紹介します。

老舗の看板屋、株式会社クレスト(現:LMIグループ株式会社 https://lmig.co.jp/)は、あらゆる領域をDX化しレガシーな看板事業を「花形」の成長事業に変革させ、看板事業として国内トップシェアを誇る企業へと成長を遂げました。

このDX推進のプロセスの中で、代表自らが飲み会で社員の声に耳を傾け、社員の声ベースで「経営理念」や「ミッション・ビジョン・バリュー」の策定をしたという話があります。

良くあるパターンとして、企業側が理念やらを決めて、それを社員に説明して共感してもらおうと頑張りますが、LMIグループ株式会社は出発点が社員の声という点でとても合理的だと感じました。

(参考記事)LMIグループ株式会社インタビュー記事 https://seleck.cc/1398
(※外部サイト「SELECK」が別ウィンドゥで開きます。)

執筆者/
リビルダーズ編集部

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