クラウドとは、データセンタが保有するサーバ・パソコン・アプリケーションなどをレンタルし、遠隔で利用する状態を指す言葉です。
英語では「cloud」。「雲」を意味する単語で、雲の向こう側にあるサーバ・パソコン・アプリケーションを借りてくるという意味合いでcloudと呼ばれるようになりました。
クラウドの対になるのがオンプレミス。オンプレミスとは、サーバ・パソコン・アプリケーションなどを自社で用意・自社内に設置する状態を指す言葉です。
データセンタとは、サーバ管理の専用施設。サーバは高性能な機器であるがゆえに、適切な温度管理などを考慮した専用施設が必要になってきます。
■実際には4段階ある
オンプレミスかクラウドか、という論調がありますが、実際には4段階あります。
●オンプレミス
自社内でサーバ・PC・アプリすべて管理運用する方法
●ハウジング
サーバをデータセンタに預けて、遠隔で管理運用する方法
●ホスティング
データセンタが持っているサーバを借りて、遠隔で管理運用する方法
●クラウド
データセンタが持っているサーバを借りて、遠隔で管理運用する方法だがどのデータセンタを使っているのかわからない
オンプレミス・ハウジング・ホスティングまでは「1台のサーバを自社専用で」使う方法です。安心感はあるものの、サーバを使っていない時間はムダになってしまいます。
クラウドの場合、サーバはあくまでデータセンタのモノ。データセンタがその時空いてるサーバを見つけて情報処理を行います。そのためサーバを使っていない時間が少なくなり、比較的低価格でサーバ利用料を提供できます。
DXの文脈では、クラウドが望ましいと言われています。ですが実際はケースバイケース。
クラウドは、どのサーバ・どこの国に設置しているサーバを使用しているのかわからないため、セキュリティが万全とは言えません。また、遠隔になるためデータ処理速度もオンプレミスに比べれば劣ります。
たとえば金融系で、1秒間に数万の株式取引するシステムなどの場合、0.1秒のデータ遅延が大きな損失になります。こうしたシステムはクラウドではなく、オンプレミスで管理運用することになるでしょう。
扱うシステムによってクラウドにするのか、オンプレミスにするのか、ハウジングなのかホスティングなのかを適切に見極めていくことが求められます。
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執筆者
リビルダーズ編集部