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高齢者人口比率1位の秋田県が4ヵ年にわたるDX計画を打ち出す

本日ピックアップするDXニュースは、日本経済新聞が報じた
「秋田県がDX推進 25年度まで4カ年計画」です。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC281SQ0Y2A320C2000000/
(※外部サイト「日本経済新聞」が別ウィンドウで開きます。)

秋田県はデジタル技術を活用し、事業変革を進める2022~25年度のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進計画をまとめ、28日の県DX戦略本部会議で正式決定した。今後4カ年で県の行政手続きをすべてデジタル化し、情報関連産業の売上高を約1.5倍に引き上げる目標も掲げた。

引用元:日本経済新聞「「秋田県がDX推進 25年度まで4カ年計画」

【執筆者コメント】

秋田県といえば、秋田こまちやきりたんぽ鍋といったグルメのイメージが強いのですが、今朝私の目に飛び込んできたのは、グルメとは真逆のデジタルに関するこのニュース。

秋田県は高齢者人口比率が全国1位

秋田県のDX状況を知る上でまず私が気になったのは、秋田県の人口数です。政府が公表している調査データ(図1)によると、2020年10月1日時点で、おそよ96万人とのこと。

人口96万人、この数字を聞いて、みなさんはどう感じるでしょうか。ちなみに、東京都の総人口と比べるとおよそ15分の1にあたる数です。

さらに土地の面積で比較すると、秋田県は東京の約5倍の土地面積を有しています。でも人口は15分の1です。こうして数字で見ると、秋田って広いですね。

みなさんご存知のように全国有数の農作物の生産量を誇ります。こうなると、自然豊かでのどかな風景をイメージする方も多いのではないでしょうか。

人口数のイメージは掴めたところで、年齢分布についてみてみると65歳以上の高齢者の人口がなんと全国1位。図2の通り、ワースト2位の高知県を1%以上突き放してます。

縮まるデジタル格差

話を元に戻すと、今回の日経さんの記事で言わんとしていることは、秋田県のDX推進がスピードを増してきているという記事なんです。

NRIが公開した「DCIにみる都道府県別デジタル度※1)」レポートによれば、2020年度における各都道府県のDX推進の進捗度合いについては、デジタル格差が顕著であり、都心と比べると東北勢は遅れをとった現実が浮き彫りになっていた。

しかし、2021年度を見てみると地方のDX推進が加速してきているのがわかる。NRIのレポートによると、地方のデジタル格差がグッと縮小したということだ。この背景には、地方におけるマイナンバーカードの取得・利用率が高まったことや、オンライン公共サービスの利用率が上昇したことが要因と見られている。

DX戦国時代はまだ始まったばかりか

さらに秋田県は産学官連携を強め、対策委員会も結成している。秋田県の公式サイトではその活動報告書(※2)が公開されている。

レポートには簡単な議事録もあるのですが、各メンバーの発言記録にはDX推進に対する危機感を持っているんだなと感じさせる発言が散見された。

レポートを見る限りでは、秋田県内にある企業のDXに対する認識も両極端という報告もあり、まだまだDX推進の山場はこれからといった印象も受ける。

行政手続きのデジタル化はまだ序章にすぎず、DX戦線はこれからが本番の雰囲気を感じさせます。

(※1)出典:NRI「DCIにみる都道府県別デジタル度」

(※2)出典:「秋田県ICT人材の確保・育成WG活動報告書」

参考:秋田県DX推進ポータルサイト「AKITA DeX」

執筆者
リビルダーズ編集部

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