DX時事ニュース

【住宅ローンDX】大和ハウス工業とNTTデータが共同実証実験を開始!

情報発信元:https://www.daiwahouse.co.jp/about/release/house/20230412103632.html
(※外部サイト「大和ハウス工業株式会社」を別ウィンドウで開きます)

12日、大和ハウス工業とNTTデータは、地域金融機関一行と共同で住宅ローンDXサービスの実証実験を行うと発表しました。実証実験は2023年4月13日よりスタートとなり、同年7月31日までを予定されています。

背景
現在の住宅ローンにおいては、住宅事業者と金融機関が密に連携を取りながら住宅購入をサポートしていますが、住宅ローンの申し込みについては、未だ紙ベースのやり取り、電話・FAXでの審査、スケジュール調整など、バリューチェーン全体でDX化の遅れが顕著となっています。

住宅ローン業務のDX化に向けた実証実験では、上記のような住宅事業者と金融機関への負担を削減し、住宅ローン申込人へのさらなるサポートを行う時間の創出に加えて、業務効率化、利益成長の実現を目指すとしています。


実証実験のポイント
今回の施策のポイントは以下3点となります。

1.デジタルを活用したコミュニケーションの最適化により、住宅事業者・金融機関の利益成長を実現
電話対応にかわって、審査状況は専用のWEBページやアプリで共有、面談・相談はリモート・チャットでの実施とすることで、負荷を軽減。3者間のコミュニケーションを最適化し、利益成長の実現を目指します。

2.住宅ローン申込情報の電子化により、申込人・住宅事業者・金融機関の負荷を軽減
NTTデータ開発の行政機関と金融機関をつなぐ預貯金紹介電子化サービス「pipitLINQ®(ピピットリンク)」の情報伝送機能およびネットワークを利用し、住宅ローン申込情報を複数の金融機関と連携、1回の入力で複数の銀行へ申込が可能となるため、複数の申込書を記載する必要がなくなります。

3.マイナンバーカードおよびマイナポータルAPIの活用により、申込人の手続き負担および金融機関の審査負担を大幅に軽減
マイナンバーカード、マイナポータルAPIの活用によって、申込に必要な情報の自動入力が可能となり、手書きでの申込やスマホ、タブレットでの入力の手間が省けます。また金融機関には正確な情報が提供されるため、内容審査のための証明書類の取得も不要となり、大幅な負荷軽減が見込めます。


今後の展望
両社は将来的に、マイナンバーカード活用による個人属性情報や公的書類の連携、顧客管理システムとの連携、火災保険販売のデジタル化など、住宅ローン業務関連の総合プラットフォームへの拡張を目指すとしています。

【執筆者コメント】
近年の住宅業界では、ビジネスの柱である新設住宅着工戸数が減少傾向にあり、国土交通省の調査によると、2030年には2016年と比較して約半分の53万戸になると予想されています。

そのため、各メーカーでは新設住宅事業をいかに効率化し、購入希望者への質の高い細やかなサポートを提供する時間の創出ができるかが重要視されているようです。

今回の住宅ローンDXサービスについても、上記のような現状の課題が背景にあるからこそ取り組まれている内容です。

特に、住宅ローンは、借り手の資産状況やライフスタイルによって必要となる金額や返済期間が異なるため、顧客一人ひとりのニーズに合わせてよりカスタマイズされた住宅ローンの提供が求められるようになると予想できます。このような市場の変化にどんどん適合していくためにも、今回のようなDX戦略は必要となっていくのでしょう。

記事内にもあったように、住宅ローンに関するプラットフォーマーとして価値提供を行っていく大和ハウス工業。今後は、AI技術や仮想通貨などを用いた新しい形の住宅ローンサービスの提供にも期待したいところです。

執筆者/
リビルダーズ編集部 甲山 奏子

-DX時事ニュース