情報発信元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000104967.html
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調剤薬局運営事業を展開する株式会社ミライシアホールディングは、凸版印刷株式会社と共同で開発した、医療用医薬品の不動在庫を薬局間でマッチングするサービス「ばくりっこ」の提供を開始した。
ばくりっことは
「ばくりっこ」は、薬局が抱える不動在庫や使用量の情報を独自開発のマッチングアルゴリズムを用いて、交換・購入する医薬品を自動選定することで、薬局間での医薬品交換・売買を可能にする。「ばくりっこ」の活用により、不動在庫における効率的なマッチング機会を創出することで調剤薬局が抱えている廃棄医薬品削減を実現する。
サービス提供の背景
全国の薬局で使用期限切れのため廃棄されている医療用医薬品は年間100億円超と推定されている。これは薬局経営を圧迫し、地域医療の一端を担う薬局の存続に直結した大きな課題だ。
サービス概要
「ばくりっこ」は、薬局で不動在庫になっている医療用医薬品を出品・購入・交換することが可能だ。
①自店の不動在庫を出品
② 他店の不動在庫を購入
③ 自店と他店の不動在庫を交換
「ばくりっこ」の特長
①不動在庫を出品して医薬品廃棄を削減
② 医薬品を安価で購入(割引価格で出品されているため、通常よりも安く仕入れることが可能だ。)
③『等価交換』で現金不要
④ レセプトコンピュータ(※1)との連携で簡単登録
(※1)レセプトコンピューターとは・・・医療施設から健康保険組合などの支払い機関に対し、診療報酬を請求するために「レセプト(診療報酬明細書)」を作成するコンピューターシステムのこと
引用元:PHC株式会社|レセプトコンピューターとは
【執筆者コメント】
今回は薬局の不動在庫に関するDXの例をご紹介いたしました。不動在庫とは、購入したはいいものの、その後に処方されない在庫のことです。
この不動在庫が発生する理由として、継続して処方されると予測したものの、その後処方されなかった、使用する薬剤が変更となり処方されなくなった、など薬局ならではの在庫管理の難しさが挙げられます。今回のサービスを活用すれば、仮に不動在庫を抱えてしまったとしても、交換や割引での購入で在庫を減らすことが可能となります。
一方で、BtoBサービスとはいえ、このようなシェアリングエコノミーでは、安全性や補償といった点で懸念点が多く、薬局側にどれくらい受け入れられるかという点で今後のサービス拡大に期待です。
業界を問わず、在庫管理の負担を減らすことは、労働・時間コストの削減に繋がり、心的ストレスの解消にも繋がります。この在庫の課題を解決することで、企業としても従業員にストレスをかけることなく、キャッシュフローを安定させることができるでしょう。
2022年の厚生労働省の調査によると、年々薬局は増加しており、約6万ほどあると言われています。薬局が乱立する中で生き残っていくためには、DXによって不動在庫の解消などといった経営の基本を盤石なものにできるかどうかがカギとなりそうです。
執筆者/
リビルダーズ編集部 城間 礼音