情報発信元:https://www.otsuka-shokai.co.jp/corporate/release/2023/230126.html
(別サイト「株式会社大塚商会 ニュースリリース」を開きます。)
2023年1月26日、株式会社大塚商会は、「DX統合パッケージ」にfreee株式会社提供の「freee会計」を連携させた「DX統合パッケージ with freee」というソリューションを2月より提供すると発表しました。
中小企業、中堅企業の多くでIT活用が行われており、リモートワークの導入などを進めている一方で、業務単位でのシステム化が多く部署によってはリモートワークの導入が難しい現実もあります。昨今のDX推進の流れから、業務間の連携を行う必要があるなど、業務単位でのシステム化では多くの課題が生じています。
大塚商会のDX統合パッケージは、基幹系のシステムと情報系のシステムデータベースを統合することで、独立していたシステムをシームレスにすることを実現するものです。その中にfreee社のクラウド会計ソフトを連携させることにより、会計処理を行う部署の生産性向上と働き方の改革につなげることができます。
例えばfreee会計は、DX統合パッケージ内の販売システムで作った債権データを取り込むことができ、口座連携を行うことにより自動で消込処理や仕訳処理ができるようになります。 このように部署によるシステムの違いを考慮することなくシームレスに情報連携ができるため、業務効率化、生産性向上につながるソリューションとなっています。
【執筆者コメント】
今回は大塚商会のDX統合パッケージを取り上げました。大塚商会はシステムインテグレーション、ソフトウェア販売等を行う企業です。DX推進へのサポートも行っており、データ基盤をDX統合パッケージとして提供しています。ERPパッケージシステムと情報系システムを統合させて汎用性高いデータ基盤構築を支援します。
大塚商会がパッケージを提供している背景として、DX推進室などを新設した企業も多い一方で、何から手を付けてよいか分からないという担当者・企業が多いという事象があります。企業のDX推進のための基盤づくりにおいて、基幹系システムや情報系システムが独立している状況は障害となります。それらを統合しデータのシームレス化を実現したのが、DX統合パッケージです。
APIを用いて他のシステムとの連携が可能となります。例えば電子帳簿保存法改正、インボイス普及などへの対応についても、請求書の電子化、ドキュメント管理に保存することで、紙の電子化が行え、その運用面のコンサルティングまでサポートの対象です。またアジャイル型の組織への対応のため組織情報の一元化を行うことが可能です。
世の中に多くのパッケージやサービスが出回っている中で、ERPには様々な機能が統合されています。購買や販売、人材、顧客、在庫、生産、財務会計など様々な機能をカバーできるものです。その中でも、すべての業務システムを包含しているERPがあるものもあれば、一部の業務だけに導入できるERPも存在します。
今回の大塚商会のパッケージは、すべての業務システムを対象範囲にするべく会計系パッケージとの連携を発表しています。業務ごとにシステムを導入しても、それぞれの製品によって管理方法が違うため、部門間の連携がとりにくくなる点が懸念であるからです。すべての業務システムを対象範囲とするようなERPは幾つか存在します。
まずはMicrosoft Dynamics 365 Business Centralです。株式会社パシフィックビジネスコンサルティングが提供するもので、Microsoft製品との連携が可能なものになります。柔軟性が高く、経営状況の可視化がすぐにできることが特長です。
またGRANDIT社が提供するパッケージGRANDITは、BIなどの搭載がなされており、カスタマイズが最小限に抑えられることが特長です。
上記のほかにもさまざまなERPパッケージが提供されていますが、今回の大塚商会のパッケージのような全てを網羅するシステムは便利な点もあればデメリットもあります。一つですべてを網羅できることから、システム間連携の必要が無いことがメリットですが、パッケージを導入した後の保守や運用フェーズ、改修段階になったときに、そのパッケージベンダーしか対応できないリスクがあるのはデメリットとなります。
DX推進で内製化の風潮が高まる中で、ベンダーロックのような状態になり得るのは得策とは言えません。パッケージ導入はコストの面からも内製よりも安く済ますことができますが、どの業務範囲をパッケージでカバーするのか、ベンダーに依存する形にならないかは注意深く確認する必要があるといえるでしょう。
執筆者/
リビルダーズ編集部 橋爪 勝万