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大日本印刷株式会社(以下、DNP)は、東京都が行う「サイバーセキュリティ人材育成支援委託」事業にて、各組織の情報システム担当者、全職員の約4万人を対象に、職層別のサイバーセキュリティ教育を支援することになりました。
支援内容の特徴としては、以下3点があげられます。
1点目は、対応可能人数の多さです。受講者数やカリキュラムの内容に応じて、リアルに集合しての演習と、オンラインでの研修を組み合わせることで、大規模なサイバーセキュリティ人材育成にも対応できます。
2点目は、職層別教育です。セキュリティの担当者には、サイバーセキュリティ先進国のイスラエル企業の訓練システムを活用して仮想環境を使った体験型実践演習を実施します。一般職員に関しては、標的型攻撃メール訓練を行うとともに、サイバーセキュリティの実践の理解に向けて、実際のサイバー攻撃と被害の状況を動画で学ぶプログラムを実施します。
3点目は、アンケート実施です。プログラム終了後、アンケートを実施し、受講者の理解度やサイバーセキュリティに対する意識の変化から次年度への取り組みに活かします。 DNPは、企業や自治体の組織体制およびサイバーセキュリティ人材育成方針に応じて、これらの演習・講習等を組み合わせて提供し、情報セキュリティ対策を総合的に支援していくとしています。
【執筆者コメント】
今回はDNPのサイバーセキュリティ対策支援について取り上げました。DNP(大日本印刷)ってサイバーセキュリティに強かったのか、と思った方もいらっしゃるかもしれません。
出版印刷業からスタートしたDNP。その後2015年に「P&Iイノベーション」というビジョンをかかげ、Printing(印刷)とInformation(情報)の強みをかけ合わせて革新的なビジネスモデルを自ら打ち出し広く提供してきました。
DNPの国内トップシェアの製品・サービスに、ICカードがあります。DNPは金融分野でICカードをはじめ、帳票印刷や電子決済プラットフォームなどで膨大な個人情報を管理、運用するなど、情報セキュリティー技術を培ってきました。また、印刷技術を軸に事業拡大をしてきたからこそ、顧客からの大切な情報を守ってきたという側面もあるようで、DNPの情報セキュリティに対する信頼・実績の土台となっているのだそうです。
さらに、DNP自身が、サイバーセキュリティ強化とそれに伴う人的対策を実施。ICTのスタートアップ大国であるイスラエルからサイバーセキュリティを学び、独自の人材育成プログラムも開発しています。(参考資料はこちら)
このように、もともとの事業の性質を活かし、情報セキュリティ分野を強みにしてきたという背景があります。だからこそ、今回のような大規模なサイバーセキュリティ人材育成支援プロジェクトにも採用されたわけです。
DNPのコーポレートサイトに「5分でわかるDNP」というページがあります。そこを見ると、DNPはこれまで変革を繰り返し、出版印刷以外の分野に果敢に挑戦してきた歴史があるのだなということと、国内だけでなく世界でもトップシェアを誇る製品、サービスがこんなにあるのかと驚きます。(参考資料はこちら)
出版印刷事業から、ここまで時代の変化にあわせてデジタルと印刷を組み合わせたサービスを展開してきたDNP。そんなDNPにとって、変革し続けることは当たり前だそうです。ICT部門のトップは語っていました、それがDNPのDNAだと。DXで求められるのは、”激しい変化に対応できる企業になること”、それをDNPは今までやり続けてきたわけです。驚きですよね。
これだけの大企業が変革し続けられた裏側には、何か秘密があるのでしょうか。そのあたりも気になりますね。DNPについてもっと知りたくなった方は、ぜひこちらの、ICT事業開発本部長の金沢さんのインタビュー記事を読んでみて下さいね。(参考記事はこちら)
DX推進で重要なマインドが、すでにDNAとしてあるDNP。製品、サービスだけでなく、DNP内部のDXはどのように動いているのか、そのあたりも注目していきたいところです。
執筆者/
リビルダーズ編集部 甲山 奏子