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東急株式会社を始め5社が協業し、首都圏鉄道初のクレジットカードのタッチ決済サービスの実証実験を開始。

情報発信元:https://www.tokyu.co.jp/company/news/list/Pid=post_463.html
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東急電鉄株式会社・東急株式会社・三井住友カード株式会社・日本信号株式会社・QUADRAC株式会社の5社が協働し、2023年の夏から東急線でVisaをはじめとする「クレジットカードのタッチ決済」と「QRコード」を活用した企画乗車券の発売や改札機の入出場に関する実証実験を開始した。

クレジットカードのタッチ決済を活用したサービスに関する実証実験は首都圏の鉄道会社では初の取り組みとなる。今後期待される訪日外国人のインバウンド回復やクレジットカードやスマートフォン1つで企画乗車券を購入するといったシームレスに利用できる状態を実現できる。

乗車券販売サイトは、東急株式会社が2021年7月に設立した、テクノロジーで街を豊かにするDX特別組織「Urban Hacks」にて構築をする予定だ。サイト上で企画乗車券を事前購入し、タッチ決裁対応のクレジットカードもしくはQRコードを、入出場時に改札機にかざすことで通過可能にした。

また、三井住友カードが、GMOペイメントゲートウェイ、GMOフィナンシャルゲート、Visaと共同で構築した「Stera transit」という事業者向け決済プラットフォームを導入することで、タッチ決済に対応したクレジットカードを使用した改札機の通過を実現。5社の協働により、最終的には、「人」「まち」「交通」をデジタルでつなぐ「デジタル乗車券プラットフォーム」の構築を目指していく。

【執筆者コメント】
DXの解釈として「業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」とあるが、優位性を確立するという点では、今回の首都圏鉄道で初というような、1番手に実践するというのもDXにおいては重要だと思う。

その中で、東急株式会社を中心に5社協働によりクレジットカードのタッチ決済の実証実験を開始するという事例に注目したい。今回の協業における各社の役割については下記のような概要になっている。

◎東急株式会社では、DX専門組織によるスピード感のあるアプリ・サービス開発力。
◎東急電鉄では2021年以降デジタルチケットの配布など乗車券サービスの企画・販売。
◎三井住友カードではVisaタッチ決済の導入やSteraプラットフォームの提供。
◎日本信号は、デジタル乗車券システムの開発。
◎QUADRACは、交通事業者向けタッチ決済および認証に関するプラットフォームの提供。

それぞれの強みで役割分担をすることで、スピード感を持ったサービス提供を実現していると考えられる。なかでも東急株式会社では、DX専門組織のUrban Hacksによる内製開発を実現しているという点が素晴らしいと感じる。

「人」「まち」「交通」をデジタルでつなぐ「デジタル乗車券プラットフォーム」の構築の実現を目指す今回のプロジェクトにおいて、東急グループの交通、不動産、小売り、ホテル、電気・ガスといった事業のノウハウを、内製でDX部隊を持つことが出来るのはサービス提供のスピードが段違いだと考える。

各事業のデジタル化をしていくUrban Hacksの存在は大きな影響を与えるだろう。またキャッシュレス化が進んでいるというライフスタイルの変化を逃さずキャッチできる力があるという点も強みであると考える。

三井住友カードが提供するSteraプラットフォームとの連携もこれから拡大していくサービスであるため協働のメリットも大きいだろう。東急鉄道以外の鉄道会社への普及や、鉄道以外の商業施設や地域などにも活用していくことを期待する。個人的にはUrban Hacksの発展と内製開発の普及に注目していきたい。

執筆者/
リビルダーズ編集部 國本 樹紀

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