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パイオニア、モビリティAIプラットフォームの新サービス「Piomatix LBS API」の提供を開始

情報発信元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000774.000005670.html
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パイオニア株式会社は、モビリティAIプラットフォーム「Piomatix」の新たなサービスとして、商用車の運行ルート最適化により物流やタクシー配車におけるDXを支援する「Piomatix LBS(※1) API」の提供を開始した。

(※1)LBSとは・・・位置情報を活用した情報サービス(Location Based Service)の総称

パイオニアは、カーナビゲーションシステム開発の分野において、独自ルーティングテクノロジーの構築により、多数の特許出願を行ってきた。特に、経路探索に関する特許を現在80件以上保有している。また、道路種別や幅員・信号の有無などといった道路環境の情報など、移動距離や所要時間に影響を及ぼす静的・動的な要因を考慮した最適ルート算出の技術も保有している。

サービス提供の背景

輸送・配送分野では、ラストマイルデリバリー(※2)の需要拡大が続く中、人口減少などによるドライバーの人手不足に加え、働き方改革関連法の時間外労働の上限規制(※3)が適用されるなどの理由から、DXへの取り組みが活発だ。さらに、日本政府が目指す「2050年カーボンニュートラル(※4)」の達成に向けて、企業はCO2排出量削減をはじめとする気候変動対策やサステナビリティ情報の開示が今まで以上に求められている。

(※2)ラストマイルデリバリーとは・・・物流において、最終拠点からエンドユーザーへの物流サービスのこと。また、お客様へ商品を届ける物流の最後の区間のことを指すこともある。(参考:大和物流株式会社|ラストワンマイル)

(※3)時間外労働の上限規制とは・・・大企業は2019年の4月から、中小企業は2020年4月から導入された、「時間外労働の上限は原則として⽉45時間・年360時間となり、臨時的な特別の事情がなければこれを超えることができなくなる」という法律。一方で、自動車運転の業務については、2024年の3月末までは猶予期間としてこの規制は適用されていない。

(※4)カーボンニュートラルとは・・・温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させること

Piomatix LBS APIを用いてできること

パイオニアが保有する高度なルーティング技術や位置情報サービスをWeb-API経由で利用可能だ。今回は、第一弾として以下の3種類のAPIが提供される。

1. 出発地から目的地までの最適ルート算出のための「ルート探索API」

2. 最大200地点までの最適な巡回順序算出のための「巡回最適化API」

3. 複数地点間の運行距離や所要時間を高精度に算出するための「ルートマトリクスAPI」

これらAPIにより、トラック・タクシー輸配送における実用的な運行計画の立案が可能となり、定時運行や輸配送品質の大幅な向上を実現する。また、当社のルーティングエンジニアが豊富なパラメータをチューニングする「プロフェッショナルサービス」を活用することで、従来のルーティングAPIサービスでは対応できなかった、業種・業態特有の制約事項まで考慮したカスタムルート設計もスピーディーに構築が可能だ。

【執筆者コメント】
今回は、ルーティング技術の活用による物流・タクシー配車DXの例をご紹介いたしました。ICT総研が2021年2月に発表した調査(※5)では、2021年末では約1,110万人であったタクシー配車アプリの利用者数が2022年に1,346万人、2023年末に1,573万人と増加していく、との予測が発表されました。また、都内におけるスマートフォンアプリによる配車可能な車両数も2万5千台(全体の83%)と高い普及率なっています。

一方で、厚生労働省の令和3年度賃金構造基本統計調査によると、タクシー運転手の平均年齢は60.7歳と高く、今後の働き手不足が深刻な課題となっています。今回ご紹介したサービスによってさらに効率的な輸送ができれば、タクシー配送アプリとの連携などにより、サービスの品質をより向上させることが可能となりそうです。

物流業界の観点でいえば、配送ルートの最適化による走行時間の短縮によって、労働者不足の解消のみならず、荷物受け取りまでの時間短縮にもつながるでしょう。この「配送ルート最適化」は配送タイミングや配送先、ドライバーの業務量など、多くの要素含めた莫大な計算が必要となり、いまや配達ルートアプリケーション(※6)を利用しない選択肢はありません。

非常に競合が多い分野ではありますが、ルーティング技術で多くの特許を有する同社がどのようにして他社サービスと差別化を図っていくか、今後に期待です。

(※5)ICT総研|2021年 タクシー配車アプリ利用動向に関する調査
(※6)配達ルートアプリケーションの例として以下のものがある。
Loogia(株式会社オプティマインド)
Cariot(株式会社フレクト)

執筆者/
リビルダーズ編集部  城間 礼音

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