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KDDI 音声対話AI技術によりスポーツの習慣化を目指す実証をスタート

情報発信元:https://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2022/10/31/6353.html
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10月31日より、株式会社KDDIは音声対話AIを用いた実証を始めました。本実証はスポーツ庁の「Sport in Life 推進プロジェクト」の委託事業として採用され、スポーツの習慣化を目指すものです。実証に参加する企業のオフィスにAI搭載のロボットを設置し、社員との会話の中で運動に取り組みます。これにより運動の習慣化がなされ、社員のスポーツ実施率をどの程度上げることができるのかを検証します。

実証の背景として、昨今のAI技術、ロボティクス技術の向上が挙げられます。スピーカーや掃除用ロボットなど、様々な商品にこれらの技術が組み込まれており、個人の生活のスタイルに影響を与える技術の進歩といえます。今回の実証で用いる音声対話AI技術は、お客様との新しい接点になり得るものであり、同社で注力して技術開発を行っていきます。

スポーツ庁による世論調査によれば、週に1回以上スポーツをする日本人の成人は56.4%に留まっています。一方で文部科学省は70%を目標にしています。スポーツは免疫力アップやストレス解消等良い効果がある一方で、日々の忙しさなどが理由でスポーツに時間を割かない人が多くいます。

本実証においては、スポーツをしてそれを習慣にしてもらうために、時間や場所を問わずにスポーツができ、アドバイスがもらえる環境を整えます。音声対話AI技術により自然な指導をロボットが行うことで、スポーツを通じた健康社会の実現を目指します。

【執筆者コメント】
今回はKDDIによるスポーツ習慣化のための実証を取り上げました。これまではスポーツを指導するコーチの役目は人であり、昨今は映像を通じたオンラインレッスン等も増えてきています。今回の実証が成功すれば顧客へのサービス展開の選択肢が増えるという意味でスポーツインストラクター業界のDXといえるでしょう。

昨今会話AIを搭載したコミュニケーションロボットの活用が進んでおり、様々な活用方法が考案されています。例えば子供の教育や遊びを手伝うロボットです。子供の遊び相手になり、会話を習得させる等の目的があります。また高齢者向けのロボットも多く発売されています。会話量を増やすことで認知症予防等につなげるものです。

今回のロボットは機能としてはこれらの例に近しく、表情が変わり運動ができ、かつ対話ができるものです。またロボットの顔の部分にモニターがついており、映像を流すことができます。

本実証で用いるロボットを用いれば、スポーツインストラクターの動きや指導の言葉を学習させることで、直接教えてもらわずにコーチングを受けることができます。遠方に住んでいる人に向けてもサービス提供ができ、ビジネスの幅が広がります。

一方で今回の実証の目的は、スポーツを習慣にすることであり、そのための委託事業としてコミュニケーションロボットの活用が最適であったかどうかはまだ分かりません。今回の実証は2023年3月10日まで行われます。オフィスの提供や従業員の参加という形で関わる株式会社エイチ・アイ・エス、株式会社ジェイエスピーの2社において、スポーツの習慣化が為されたかどうかの検証が行われるタイミングに注目です。

執筆者/
リビルダーズ編集部 橋爪 勝万

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