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創業154年の酒蔵がDXにより年商前年比1.2倍で黒字化見通し

情報発信元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000417.000034075.html
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Visionalグループの株式会社M&Aサクシードが持つ、M&AマッチングサイトのM&Aサクシードを通じて、くじらキャピタル株式会社が清酒酒造・販売の株式会社金井酒造店の酒造事業を取得した。

くじらキャピタルは、日本初の中小企業DX特化ファンドを運営しており、事業拡大の目的があった。金井酒造店としては、後継者不在の為事業を譲渡する目的があった。

くじらキャピタルが取得から1年間で実施したことは、取得日当日にECサイトを立ち上げたり、クラウドサービスやSlackなどのコミュニケーションツールを導入するなどの管理部門のDX化、酒造工程のDX、コーポレートアイデンティティやボトルデザインを新しくするといった内容になる。結果としては、ECの売上高が全売上高の10%を占め、金井酒造店の年商は前年比1.2倍になり黒字化も視野に入っているという1年の間で急成長を実現した。

今後は実験段階である酒造工程のDXにも力を入れていくとのこと。熱とアルコールで電子温度計が壊れてしまう環境下で、24時間1時間に1回温度や湿度の確認が必要な作業の効率化に向けて実験を続けていく。

【執筆者コメント】
創業154年の金井酒造店がDXにより急成長したとタイトルにあるが、注目したいポイントはM&Aによって実現したという点だと思う。自社内でDXの取り組みを行うことが全てではなく、M&Aという選択肢を取りながらDXを進めていくという成功事例に興味を惹かれた。

まず株式会社M&Aサクシードのサービス自体もDXであると感じた。M&Aとなると大手企業に対して取引が過剰になる印象があるが、M&Aサクシードはマッチングサイトとしてデジタル上での仕組みを実現することで、成功の可能性が広がる。また、M&Aサクシードは着手金などは発生しない、クロージングが完了したときのみの完全成功報酬型を採用しており、今回のM&Aが成功したと考える。

そして譲り受け企業であるくじらキャピタルが実施したDXも触れたい。DX特化ファンドというビジネスモデルを実現している点も素晴らしいが、驚くべきはスピード感だと思う。M&A初日にECサイトを立ち上げたり、1年間で黒字化が見えるところまで進めた点は単なるデジタル化では成しえないと感じた。

実際くじらキャピタルには自らエンジニアを抱えているファンドだからこそ、課題に対してPDCAを高速化できると感じた。内製ができる力は非常に重要だと感じた。今回の事例からITやデジタルのイメージがつきにくい酒造業界であってもデジタルの力で事業がより良くなれる可能性を感じた。そしてM&Aにより廃業も考えていた企業や事業がDXと合わさることで成長できると言ったあらたなDXの成功事例を学んだ。

執筆者/
リビルダーズ編集部 國本 樹紀

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