情報発信元:https://japan.zdnet.com/article/35193359/
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16日、トリドールホールディングスがマジックソフトウェアジャパンが販売するデータ連携クラウドサービスを導入したと発表されました。
こちらのサービス「Magic xpi Cloud Gateway」は、パッケージやクラウド間のデータ連携アダプターとしての機能を提供することで、サービス間の業務プロセスの自動化をはかることを可能とします。
トリドールホールディングスは、同サービスを活用し、導入中の各種SaaSからトランザクションデータを会計システムへ連携、マスターデータも同期させました。データ連携サービス導入後、大きく2点の変化があったとのこと。
まず、人事異動によるマスターデータの変更作業工数が5日分削減され、会計処理のリードタイムも3日分削減されたようです。 今後の展望としては、AAD(Azure Active Directory)とSaaS間のユーザアカウントデータ連携を行い、人事異動の際のアクセス権限変更なども自動化を進めることでさらなる工数減を目指す方針です。
【執筆者コメント】
データ連携による業務工数削減で、リソースをメイン業務に集中させることができ、事業側のさらなる質向上と働き方改革を推進していくことが可能となる、というのは、DX推進という文脈のなかではよく耳にする話ではないでしょうか。
今回は、トリドールホールディングスのDX推進における取り組みの1つをご紹介しました。同社は、レガシーシステムのSaaS移行を進めており、そのなかでクラウド間のデータ連携に課題を感じていたからこそ、今回のサービス導入に至ったようです。
ところで、トリドールホールディングスはどのようなDX推進の取り組みを行っているのでしょうか。調べてみると、同社のCIO兼CTOの方の「内製化はしないと決めた」という興味深い言葉がでてきました。
この方によると、エンジニアが事業会社ではなくIT企業にどんどん就職するなかで内製化を行うことは難しい、それよりも、SaaSを供給する企業とのパートナーシップを強化することが自然であるとのこと。自社で注力していくべきは高品質な商品とサービスを提供し続けることだとし、そちらにリソースを集中させ、DXはSaaSを活用することで実現していくという考えを示しています。
(※参考)https://www.showcase-gig.com/dig-in/toridoll-01
私としては、こういったDXもあるのだなと気づかされる内容でした。私のように、DX推進には内製化が最適解だと思われる方も多いのではないでしょうか。しかし、事業の質向上(ユーザーの豊かさ追及)と働き方改革がDXの本質であり、それを実現するためのトリドールホールディングスにとっての最適な手段は、SaaSの活用だということでしょう。
最近はクラウドネイティブという言葉もあり、クラウドの利点を徹底的に活用することがDXのカギとなるような気もしてきますね。クラウドの最適な活用方法のヒントが、トリドールホールディングスのDX推進から読み解けるかもしれません。他社のDXの事例や考え方を学ぶことを今後も続けていきたいと思います。
執筆者/
リビルダーズ編集部 甲山 奏子