情報発信元:https://www.yomiuri.co.jp/economy/20220823-OYT1T50146/
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読売新聞は水産庁が漁業のDX推進のために、漁村とデジタル人材のマッチングを支援する方針を固めたと報じた。
漁業というと職人業のイメージが強く、事実今の漁業の大半は長年の経験や勘を頼るものがほとんど。少子高齢化の日本の喫緊の問題として、国の生産力を上げるということか目下の悩みどころであるが、それをDX推進で解決しようという狙いだ。
今回の施策としては、ポータルサイト上にデジタル人材のデータベースを用意し、デジタル化を進めたい漁業関係者とマッチングをする。そうしてデジタル人材を漁村部に送り込むことで、デジタル技術を利活用し漁業の生産力の向上を狙う。
今後水産庁では、デジタル人材向けに漁業の基本的な知識をインプットする講習会なども検討しているという。
【執筆者コメント】
漁業に関わる人々の高齢化については、ずいぶん前から危惧されていた問題であるが、近年ではその状況を変えようと対策を始めた漁業組合も出てきている。
水産庁のレポートによると、小田原の漁業組合では20代、30代の就業者が増えて組織の若返りに成功しているということだ。成功の背景には、雇用形態や給与の仕組みを見直し、一般的な企業に寄せたということだ。また求人広告も積極的に出すことで都心からの転職者を増やしたという。
さらにそこへ追い風となるのが水産庁のDX推進。水産庁は2023年度まに水産業の成長のためにデジタル人材を派遣し、1000隻以上の漁船を対象にデジタル技術を用いて10日先の漁場予測情報を配信する仕組みを提供する方針だ。
加えて、IoTやICT、AIなどの技術も積極的に取り入れ、養殖業を後押ししたり、自動釣り機等の開発することで船上での省人省力化も進めていく方針だ。
漁業のように一般社会とは隔離されて世界というのは、どうしても独自のシステムや価値観が形成されてしまうと思う。それこそが独自の伝統的な文化を産むものだととは思っているが、少子高齢化の危機に瀕している以上、業界全体で変化をしていかないと生き残っていけない時代になってきていると思う。
今後、各地の漁村部に若い人材が増えてくれば、デジタル技術の利活用に対するアレルギーも少ないので、今後のデジタル水産の発展を加速してくれると期待している。
執筆者/
リビルダーズ編集部 木城 秀人