株式会社情報戦略テクノロジー社ウェビナーページ:https://ist-webiner.connpass.com/event/252169/
(※外部サイト「connpass(エンジニアをつなぐ IT勉強会支援プラットフォーム)」を別ウィンドウで開きます)
7月6日、インフラエンジニアのK氏(株式会社情報戦略テクノロジー)によるウェビナーが開催されました。DXの推進が多くの企業のテーマになる中、アジャイル開発でシステム内製をすることが今の時代にあっているとK氏は言います。
これまで主流だったシステム開発は以下のようなメリットとデメリットがありました。
◎ウォーターフォール開発モデル
・大人数で分業できる
・システムの質が個々のメンバーのスキルに左右されにくい
・開発に時間と人手が掛かる
◎請負契約での発注
・仕様書通りに完成することが保証されている
・一部を下請け企業に発注することでさらなる分業ができる
・案件ごとにメンバーは総入れ替えするためユーザーへの理解が不足する
これに対して、DXを推し進める今の時代に求められる開発現場は以下のような特徴があります。
◎今の時代に求められるシステム開発の実情
・短納期・低コストの開発
・頻繁に立ち上がる新プロジェクト
・毎月、毎週リリースを求められるプロジェクトが多い
ウォーターフォール開発モデルや請負契約でのシステム開発では、今求められるシステム開発のスタイルに合わなくなってしまいます。DXが身近な言葉となった昨今では、アジャイル内製開発が適しており、受注と発注の関係では実現できないような、開発現場に寄り添う形で顧客を支援すること、つまり0次DXという支援が必要です。
◎これまでの開発→0次DX
・要件定義
要件定義書の雛形の項目を全て埋める、必要な部分を全て定義
→本当に必要な部分にフォーカス、その他細かい部分は開発者にお任せ
利用者と開発者は継続的に仕事をしていくため、不要な部分はカット
・設計
要件を取りこぼさず完璧に、誰が読んでも誤解しない設計書を作成
→重要な部分を徹底的に設計し、チームメンバーに伝わるように作る
・テスト
全てをテスト、網羅率やバグの摘出率といった指標で品質判断
→重要な部分を徹底的にテストし、段階的に自動化するなど効率化
指標値ではなく、利用に耐えられるか、本来の目的を実現できるかで判定
上記のように、アジャイルで内製開発をすることが、DXを推し進めるための短期低コスト開発に向いています。
ただ、もちろんプロジェクトごとにフィットしたやり方があるので、アジャイルが何よりも優れているというわけではありません。固定概念にとらわれず、正しい手法を選択しDXを進めていくことが大切です。
【執筆者コメント】
今回はK氏のウェビナーに参加したレポートです。
DXを推進するためにアジャイルでの内製開発が向いているという話をエンジニア目線で聞くことが出来ました。DXを進めるにあたっては短納期、低コストの開発を頻繁に回していくことが必要とされる中で、従来のウォーターフォール開発モデルでは無駄が多く生じてしまうことはどの企業も留意すべき点だと感じました。
一方でウェビナーの中で筆者が一番のポイントだと考えた部分は、「固定概念にとらわれない」という点です。これまではウォーターフォール開発が主流であり、細部まで要件定義せずに設計フェーズに移るというのが怖いと感じるエンジニアも多く、アジャイル開発ができないケースもあるようです。ただ今後DXが推進されていく中で、逆に開発手法はアジャイルがいい、という固定概念が生まれてきてしまう可能性もあると思います。
アジャイルにも、ウォーターフォールにもメリットとデメリットがあり、目的によって手法を使い分けることが重要になります。またK氏によると、双方の開発手法を完全に理解していれば混ぜる方法もあるとのことです。開発の現場において一番合う、目的に沿う手法を取り入れることが、DXの推進の近道だと考えます。
執筆者/
リビルダーズ編集部 橋爪 勝万